かっぱ寿司、黒字復帰でも安心できないワケ

3年で4度の社長交代、一貫しない「経営戦略」

カッパ・クリエイトが運営する「かっぱ寿司」。2018年3月期は営業黒字に復帰したが、店舗網の拡大や客数増を達成できていない(記者撮影)

「月ごとのフェアメニューも毎月レベルアップを図り、リピーターに来ていただくたびに満足してもらうような取り組みを実践してきた」。100円回転ずし「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトの澄川浩太専務は5月11日に開かれた決算説明会でそう語った。

4月下旬に同社が発表した2018年3月期決算は売上高787億円(前期比0.9%減)と横ばいながら、本業の儲けを示す営業利益は3.7億円(前期は5.2億円の損失)と黒字転換を果たした。純利益も8.1億円(同58億円の損失)と大幅改善し、2期ぶりに復配もする。

業界では珍しい「食べ放題」を実施

回復のきっかけとなったのが食べ放題の実施だ。昨年6月には約20店舗で平日の午後2~5時に、時間制でサイドメニューを含む80種類以上の商品が食べ放題となるサービスを導入。一部店舗での実施だったが、当該時間帯の来客数は通常営業時の3~4倍になったという。今年2月からは食べ放題の対象店舗を全店舗へと拡大した。

また、親会社であるコロワイドの食材調達力を生かし、肉を使用したすしやサイドメニューを拡充。注文皿数の増加につなげた。こうした施策によって、2018年3月期の既存店売上高は前期比1.7%減とマイナスだったが、2017年3月期の同4.2%減という水準から減少幅は縮小。並行して、「社内や店舗におけるムダを徹底的に省いたことで収益の改善を図った」(澄川専務)。

数字上では回復しているかのように見えるカッパ。だが、同業他社と比較すると”見劣り感”はぬぐえない。

1つ目は店舗網がまったく拡大していないことだ。2018年3月末時点(以下同)のかっぱ寿司の店舗数は348店と、前年同月末から6店純減。それに対し、競合のはま寿司は491店(前年同月末比27店増)、スシローは489店(同30店増)、くら寿司は406店(同19店増)となっており、カッパ以外の大手3社は順調に出店を続けている。

カッパは既存店の改装を優先し、「2018年3月期は意図的に出店を絞った」(澄川専務)というが、大手の中で唯一店舗数を減らす結果になった。続く2019年3月期のカッパの出店は数店舗にとどまる見通しの一方、競合他社は年間20~30出店を継続する構え。郊外ロードサイドの陣取り合戦が過熱する中、カッパの存在感はますます薄まりかねない。

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