アクトコール、「松下村塾のようにしたい」 平井俊広社長にロングインタビュー
小林:特性の異なる事業を多数展開していることも御社の特徴ですね。
平井:業界の垣根なんて存在しないというのが僕の発想ですから。結局、どんな事業も人で決まります。やり抜くという気概がある人に任せれば、おのずと結果が出るものです。もちろん、撤退基準をあらかじめ決めておいたうえで、やりたいと願い出る人にやらせてみるわけです。
やってみてうまくいかなかった場合、「もうちょっとやらせてみたい」と思うこともありますが、そこは私がジャッジするしかない。そもそも、自分の会社が何をやっているのかを社員がきちんとわかっているなんてことは、ベンチャーではありえません。どんどん挑戦していくのがベンチャーですよ。もっとも、とことん手を広げていったら、経営者の僕自身もわからなくなってきますけど(笑)。
採用基準の基本は、「面白いヤツ」
小林:徹底して人を基軸とすることで、事業を展開されてこられたのですね。そうしますと、御社はそういった意欲のある人を率先的に採用しているのでしょうか?
平井:当社における採用基準の基本は、「面白いヤツ」です(笑)。
小林:だとすれば、関西出身者の比率がおのずと高くなりそうです(笑)。
平井:確かに多いですね(笑)。とにかく僕が「やらせてみたい」と感じる面白さを持った人材を採用しています。僕の考え方として、優秀な人が辞めていくのは、そこに留まっていても自己実現ができないからだ、と考えていて、せっかく加わった「面白いヤツ」が自己実現し続けられる会社でありたいと思っています。だから当社では、社員による友好的なMBO(経営陣による買収・独立)はOKとしています。アクトコールという会社を幕末の松下村塾のような存在とし、僕自身は吉田松陰のような立場になりたいのです。
要は、自己実現のチャンスを提供しながら、頑張っている人たちを応援したいということ。それに、一番大事なのは継続。なので、1000年ぐらいは続いていく会社をめざしたいと思っています。とにかく僕は、世界中から「ありがとう」を集めたいのです。だから、業界などにこだわらず、人から感謝される仕事なら躊躇することなく取り組んでいきます。そのうえで、何があっても最終的に僕がすべての責任を取るという覚悟で臨んでいます。
小林:社長がその覚悟だからこそ、社内が一丸となっていろいろなことに挑戦し続けるわけですね。本日は面白くてためになる話をありがとうございます。
(ライター:大西洋平)
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