アクトコール、「松下村塾のようにしたい」 平井俊広社長にロングインタビュー
「暮らしを豊かに」というコンセプトに基づき、多様な住生活関連総合アウトソーシング事業を展開しているのがアクトコールです。当初は緊急駆けつけサービスからスタートしましたが、不動産管理会社向けのサービスにも手を広げ、さらにM&Aも活用して収納代行や飲食事業などにも業容を拡大し、もはや一言では説明しきれないビジネスを展開しています。強烈な個性とユーモア、強いリーダシップで会社の成長をけん引する平井俊広社長から、同社設立の経緯や経営戦略、目指している会社像などについて話を伺いました。
2005年1月設立のアクトコールは全国約1600拠点の協力会社と連携し、24時間365日対応のコンタクトセンターを介して、賃貸住宅入居者などの会員向けに、水回りのトラブルをはじめとする緊急駆けつけサービスを提供。また、企業のコンタクトセンター業務も幅広く代行。さらに、賃貸物件のオーナーや管理会社向けに、家賃決済と出納作業をセットにした収納代行サービスを提供。ほかにも自社による不動産開発や飲食事業、AI研究事業、音楽事業など、多彩なビジネスを展開している。2017年11月期の売上高43億800万円、営業利益3億6700万円。証券コードは6064。
経営に行き詰まった後輩を救うために起業の道へ
小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):最初に、御社を設立するに至った経緯からご説明いただけますか?
平井俊広(アクトコール社長。以下、平井):まず、僕は2カ国語を喋る人間でして。日本語の次は、大阪弁の中でも一番品のある地域の言葉です(笑)。そう、岸和田ですよ。長嶋茂雄さんがまだ現役でジャイアンツがV8を遂げた頃に僕は野球を始めて、甲子園をわかせた銚子商業の“黒潮打線”に憧れ、高校進学の際には強豪野球部のある男子校を選びました。
ところが、いざ野球部に入ってみると、1年にたった2回しか休みがないという厳しさ。あまりにもキツイから退部したら、その後に2度も甲子園に出場したから、ホント悔しかった。もしも残っていたらレギュラーになっていたはずで、非常に悔いが残ることでした。