未来のコインランドリーが「無料」になる必然 「WASHハウス」社長にロングインタビュー
小林:確かに、当時のコインランドリーと比較すると、整然としていて清潔感や安心感があるように見えますね。
児玉:ありがとうございます。それに、当時のコインランドリーは、顧客サービスも不十分でした。お店には投書箱が置いてあって、トラブルがあったらここに入れて下さい、と書いてあるのですが、たとえば洗濯機が動かない時には、投書箱に入れてもすぐに対応がなされることはないわけです。電話番号が載っていることもありますが、繋がらないケースも多くあります。
どうしてこのように顧客サービスが不十分なのかというと、全国どこを見ても、大手法人が運営しているコインランドリーがほとんどなかったからなんです。
小林:なるほど。つまり、質の良い顧客サービスを提供できるプレイヤーがいなかったということですね。そこに御社が入り、コインランドリー店の質を良くしていけば、利用率を高めていくことが出来るという見通しを持たれたわけですね。結果、不動産業から洗濯業へと転換されたと。
事業モデルは洗濯屋ではなくサービス業
児玉:はい。ただ、我々は洗濯業を始めたつもりはありません。クリーニング業と違い、洗濯というサービスを提供する事業者ではないからです。我々は、場所を提供し、機器の設置をサポートし、何か問題があった時に対応する、ある種のサービス業です。しかし、サービス業といっても、常にお店に人がいる状態には出来ないというのがポイントです。ですので、まず、遠隔で店舗を管理できる出来るシステムを作るところから始めました。
始めた当初は、FAX通信の仕組みを使って洗濯機や乾燥機の電源オンオフやリセットをしていました。そのうち、洗濯機に指令を送って脱水だけをやり直させるというような細かいことも出来るようになりました。今では、それ以外にもいくつもシステムがあるのですが、特徴的なものは全店に設置されたタッチパネルです。
イタリアの植木鉢をモチーフにデザインしたもので、来店されたお客様向けのサービスを提供する端末です。そして実は、従業員向けの管理端末としても機能するんです。