アルゼンチン通貨急落は「何かの前兆」なのか ドル利上げは「新興国危機」を誘発してきた

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9. 過剰債務 債務の規模ではなくて増加スピードに気を付けること。2007年以降、世界の債務は57兆ドルも増えたが、その3分の1は中国だ。民間債務の増加に注意しよう。

10. メディア 新興国の将来性に関するメディアの判断はことごとく外れてきた。TIMEやNewsweekが「この国がスゴイ」と持て囃すとき、ブームは終わりに近い。逆にメディアが見向きもしなくなったときは投資のチャンスだ。

中国の将来は暗い?

このシャルマ氏、現場を歩き回って「足で稼ぐ」タイプなので、観察がいちいち具体的で、紹介する事例も豊富である。新興国や投資を考える格好のヒントが詰まっている。

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読み終えて印象に残ったのは、中国経済に対する見方が慎重なことである。共産党政権の成長目標が高過ぎるために、対GDP比の投資が高止まりしている。これはその後の成長率が低下するシグナルなのだそうだ。最近は収まっているようだが、資本逃避と外貨準備の減少という問題もある。ゆえに本書における中国の将来展望は、3段階で一番下の「劣等」ランクとされている。

もっとも本書が書かれたのは2016年なので、トランプ政権発足後の状況はフォローされていない。中国に関しても、その後の習近平体制の「終身化」や昨今の米中通商摩擦といった問題が新たに加わっている。この辺は自分で判断しなければならない。

 過去においてもドルの利上げ局面は、しばしば新興国における通貨危機や金融不安を招いてきた。アルゼンチン・タンゴの次に聞こえてくるのはどの国の音楽か。今後は新興国市場に注目しよう。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)

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