アルゼンチン通貨急落は「何かの前兆」なのか ドル利上げは「新興国危機」を誘発してきた

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1. 人口構成 世界の人口は2050年に100億人程度で安定する。これから若年人口の減少が問題となり、各国間で移民を呼び込む競争が始まるだろう。人間でもロボットでも総動員体制で立ち向かう必要がある。

2. 政治サイクル 指導者は最初のうちは改革者であっても、政権が長期化するとウラジミール・プーチン、レジェップ・タイイップ・エルドアンといった、2人の大統領のように堕落してしまう。改革者はベテランよりも新人、官僚よりも大衆の支持、独裁的であるよりも民主的であることが望ましい。

3. 格差 お金持ちを見ればその国の将来が分かる。資源や世襲によるのは悪い億万長者、ITなどの起業家は良い億万長者。億万長者が目立ち過ぎて、富の配分が歪むのは望ましいことではないが、日本のように億万長者が少な過ぎるのも問題だ。

政府の関与が強い国はNG、インフレは害をなす

4. 政府介入 インド、フランス、ブラジルなど、政府の関与が強い国はろくなことがない。中国は国家資本主義ではなく、自由市場改革で成功した。最近はそのことを勘違いしているみたいだが…。

5. 地政学 ドバイが成功した本当の理由は、対イラン制裁の抜け穴になったから。インターネット時代においても、国のロケーションは重要なのだ。国内的には、人口100~500万人の都市を増やすことが発展の鍵だ。

6. 産業政策 いつの時代でも、国を豊かにするのはサービス業ではなくて製造業である。そのためには投資が大切。悪いバブル(不動産)ではなく、良いバブル(ITなどの社会インフラ)を目指すこと。

7. インフレ 途上国なんだからインフレは仕方がない、などと考えてはいけない。汚職や失業以上にインフレは害をなす。だから中央銀行の独立性は重要だ。もっともデフレに苦しんでいる日本のような例もあるけどね。

8. 通貨 新興国にとって、通貨は割安で安定していることが望ましい。経常収支の赤字は3%までにとどめておくこと。赤字が黒字に反転すると、通貨危機は過去のものとなる。

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