とはいえ、
店員「ポイントカードはお持ちですか?」
お客「けっこうです」
だと、聞かれてもないのに「お作りしますか?」という勧誘を先んじて封じ込めているようで、これはこれで感じ悪い気がします。
結局のところ、
店員「ポイントカードはお持ちですか?」
お客「大丈夫です」
という返答に落ち着くのが主流のようです。「カードは持っていないけどポイント集めていないから大丈夫です」を省略した形で、文法的にはしっくりこないものの言い方も柔らかいからです。
このおかしなコミュニケーションには、さらにその先があります。
店員「失礼しました」
と帰ってくることがあるのです。
これはこれで、言われるたびに違和感があります。店員さんに謝ってもらうほどのことでもないからです。日本語として破綻しています。ひょっとしたら「持ってねえよ! いちいち聞くなよ!」というようなオーラが出てしまっているだろうかと、こっちが申し訳ない気持ちになります。
ネット上でも物議を醸している
この「ポイントカードお持ちですか?」をめぐる問題はネット上でも物議を醸しているテーマです。ネット掲示板でこのテーマのスレッドが立っている例もあります。
まず目につくのは、やはりお客さんサイドの「面倒くさい」という声。一方で、店員さんサイドからの反論もあります。「『ポイントカードお持ちですか?』と聞いて『大丈夫です』と答えられるとイラッとします。『要らないです』と笑顔で言ってもらえればいいように思います。『大丈夫です』はかなり意味不明です」というパート主婦の声もありました。ポイントカード問題は働き手からもストレスなのです。
私が取材したコンビニスタッフのAさんはこう言います。
「バイトを始めたばかりの頃は、ポイントカードの有無を必ず確認していたんです。でも鬱陶しそうな表情をされるお客様も多くて。『いちいちうるさい!』と怒られたことがきっかけで、高額のお買い物じゃない限りは聞かないようになりました」
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