スマホ世代も狙え!NEWS ZEROの仕掛け 櫻井翔、桐谷美玲をキャスターにする理由とは?

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「ADの疑問」も反映される会議

――わかりやすく伝えるために、組織としてやっていることは。

徹底的に議論をしています。平日は夕方4時に、村尾キャスター、山岸舞彩キャスターはじめ、デスク、ディレクター、プロデューサー陣らが集まり、夜11時の放送に向けて準備しています。曜日ごとのキャスターである、櫻井キャスターや桐谷キャスターも参加します。当日の担当デスクがレジュメを用意して、今日のニュース項目の取捨選択や、スタジオでインタビューがあればその質問項目、キャスターの人のコメントまで議論し、2~3時間も侃々諤々やることもあります。また、若い世代を対象にしていることから、20代のAD(アシスタントディレクター)の疑問も議題に上がることも多いのも特徴だと思います。

私も初めて「ZERO」の現場に来たときには驚きました。7時間弱の準備期間の中での議論の濃度が高い。議論が長いとVTRを作る時間が短くなるという弊害もありますが、議論のプロセスは必要だと思います。テレビのニュース番組は、短い時間の中で可能なかぎり質の高い情報をしっかり入れる必要があり、そこに連関性を持たせる必要がある。だからこそ、議論して議論して、あらゆる論点を出し尽くす必要があると思っています。

僕は会議の中では、意識的にいろいろな意見を「生煮え」の状態でも出すようにしています。できるだけ多くの情報を目に耳にして、右も左もなく、いろいろな論客の意見を頭の中に入れておき、「こういうふうに言っている人もいるけど」ということを出し、論点の抜け落ちを防ぐように努力しています。

――今後について教えてください。

「ZERO」の原点である「日本をよくしたい」「批判するだけでなくプランBを提示する」というコンセプトは大事にしたいと思っています。そしてインターネットをはじめ、情報取得の手段が多様化している中、テレビだから伝えられる規模や浸透力を生かせることに取り組めたらと思っています。

現在、日本は自民党中心の政権が衆参で絶対安定多数の議席をとり、安定した政権になりました。腰を据えてじっくり国づくりを行えるというポジティブな側面の一方で、強すぎる政権への懸念も生まれています。

報道機関として、「中立」「公正」な監視役の役割が、これまで以上に問われると思っています。

(撮影:梅谷 秀司)

林 智之 ライター
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