元夫が若い女に走った44歳「1児の母」の苦闘 元夫の自殺、自身の精神障害を乗り越えて

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幸い、歌島さんの病気はここ2年ほど落ち着いている。アロマを取り入れた生活をしていて、気持ちが前向きになれているそうだ。

「最近、娘が自立できる年齢になったので、扶養から抜いたんです。ようやく自立のための貯金ができるかなと思っていた矢先、役所から、私一人分になる生活保護の金額の通知がきました。厳しい現実です」

「必ず自立して、人生を輝くものにしていく」

1カ月の生活費は7万円ということだ。歌島さん1人分の生活保護費から、単純に住宅扶助を引くと、残るのは7万円のみ。今後、娘の生活費は出ないため、娘は一年制の夜間専門学校に通いながらバイトをし、家に自分の生活費を入れないとならない。そして、専門学校卒業後は(二人分の住宅扶助が一人分になるため)家を出て自立しなければならない。

「娘には苦労をかけて申し訳ないと思っています。でも、その都度2人で家族会議して、本音を話し合いました。本音でぶつかってきたので、今の親子関係があります。芯が強くて、優しくて、自慢の娘です」

娘とは辛い時期があってもコミュニケーションは欠かさなかった。大変なときも2人で乗り越えてきたから、親子の絆はどこの家庭より強いと自負がある。

「私たちはこれからも前を向いて生きていきます。笑顔が取り柄なので、笑顔だけは忘れません」

そして、歌島さん自身にも夢がある。

「アロマの資格を持っているので、将来はアロマセラピストとして活動していきたいと思っています。自分も全身麻痺で動けなかったとき、精神障害で悩んだとき、アロマの力を借りて回復してきたから。今度は私が人を癒やしてあげたい。スポーツに携わる人などの心身のケアができたら本当にうれしいです」

やる気にあふれた表情でそう語ってくれた歌島さん。自立に向かって突き進み、自身の夢をかなえる日が必ず来ると信じている。

斉藤 カオリ 女子ライフジャーナリスト、コラムニスト

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さいとう かおり / Kaori Saito

神奈川県出身、2000年桐朋学園芸術短期大学 演劇専攻卒。合同会社ジョアパルフェ代表。舞台女優、歯科衛生士の仕事を経てフリーライター・エディターに転身し、日経womanなど複数の女性誌や週刊誌、Webで執筆。その中で、働くママ向け媒体制作で出合った500人以上のシングルマザーの苦悩・本音に大きく心を揺さぶられ、現在も独自に取材を継続。『女性の自立と生きがい』を応援する事業も行う。3児の母でもある。
https://saito-kaori.com/

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