32歳「共働き時短妻」が悩む夫の「超秘密主義」 「子育てブラックボックス家計」は破たんする

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まず、必要貯蓄率がわかったら、次のステップは「おカネの置き場所」作りです。現在の夫婦の貯蓄300万円は、ひとまず、何かあれば出し入れできるように流動性を重視して、貯蓄用の「普通預金」に入れておきます。

次に、それぞれがiDeCo(個人型確定拠出年金)口座を作ります。そして、まずは夫が「つみたてNISA」口座を持ちましょう。当面の毎月の貯蓄額約11万8000円のうち、iDeCoでそれぞれ2万3000円ずつ、「つみたてNISA」で3万3000円、残りの3万9000円は、貯蓄用の普通預金に入れて行きましょう。

夫の小遣いは「月6万円が限度」だった

ある程度の金額が貯まったら、「個人向け国債10年型」を買っても構いません。個人向け国債10年型は、元本が確保されていますので、「安全性」を重視したおカネの置き場所ということです。特に、国債の中でも、「個人向け国債変動10年型」は、年に2回、金利の見直しもありますので、世の中の金利上昇にもある程度ついていくことができます。

今後、お給料が上がれば、その分、貯蓄額も増えます。そうしたら、依子さんも「つみたてNISA」を始めてもいいでしょう。「つみたてNISA」は、「収益性」を期待しつつ、途中で引き出すことができますので、子どもの学費などで必要になれば、その都度解約すれば良いでしょう。このように、「貯めながら増やすことができる仕組み」を作ります。

竹下家の家計を見ると、必要貯蓄額を貯蓄した後の「使えるおカネ」は月額約48万8000円です。実は、現在は、収入をほぼ使い切っている状況で、支出は約55万円になっています。ですから、特にご主人が支出を抑える必要があります。ブラックボックス家計のフタを開けてみたら、夫は毎月平均14万円を「小遣い」に使っていました。当然、この金額を減らす必要があるでしょう。

支出を見直した結果、家事代行費用として3万円を確保すると、「夫の小遣いは6万円が限度」ということになりました。小遣いがいきなり半分以下になると辛いかもしれませんが、我慢することが大切ですし、頑張れば年収が増えていきます。今が一番大変なのだと覚悟して、「おつきあい」もほどほどに、支出を抑えましょう。この時期に、奥様に対して名実共に愛情と協力体制を示しておくことは、今後の夫婦関係に大きく影響してきます。最後に重要な助言を。「女性の不満は、一気に爆発するのではなく、少しずつ積もって行く」ということを男性の皆様はぜひ自覚してください。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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