依子さんは時短をやめたほうがいいのでしょうか。これに対しての結論は比較的簡単です。この場合、フルタイムで働くとなると、保育園料が今よりも毎月2万円は余計にかかりそうです。一般的に3歳未満の保育料は割高ですし、この時期の家計は、養育費負担が大きくなりがちです。しかし、これもほんの数年のことですので、期間限定のことなのだと割り切って考えましょう。フルタイムで復帰できる環境が整っているのなら、そうしたほうがいいでしょう。
ではフルタイムに戻したらどうなるか。依子さんの場合、年間の手取り額は今より66万円くらい増えますので、保育料が余計にかかる分を差し引いても、毎月3万円ほどの余裕が生まれる計算になります。その分を貯蓄に回すことも必要ですが、ここで考えるべきは、金銭面もさることながら、依子さんの精神的、肉体的負担です。
依子さんのご主人は、「ダメ夫」というわけではありません。しかし、出張も多く、非常に多忙なので家事や育児は、依子さんがほぼ8割を負担しているそうです。今の状態のままフルタイムにすれば、依子さんの負担がますます大きくなるのは目に見えています。なぜなら、夕方、子どものお迎えに行ってからは「時間との戦い」になるからです。夕食の準備をし、子どもに食事をさせ、眠くならないうちにお風呂に入れて、翌日の準備をして寝かし付ける。ママは息をつく暇もありません。平日のこの「ルーチン」を効率よく回すためには、土日の過ごし方も重要になってきます。買い物をまとめてしておく、お料理を作り置きしておく、掃除をまとめてするなどです。1週間がフル稼働となるわけです。
「子育てブラックボックス家計」の2つの改善ポイント
私は、依子さんのお話を聞きながら、子育て世代の家計の立て直しには、2つのポイントがあると思いました。
1点目は、「ガラス張り家計」にすること。2点目は、「おカネで解決できること」には惜しまず使うということです。特に2点目は一見「貯蓄と真逆のこと」を言っているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、この時期は、いかにストレスを溜めず、健やかに仕事ができるかが大切なのです。それが、結果的にも子どもにとってもよいと思います。家事代行サービスなどを適宜、必要に応じて利用することで、ママの負担は軽減します。
共働きママは、お料理の作り置きやお掃除などの家事代行サービスを上手に使うことで、時間と便利さを買うのです。賢いおカネの使い方です。ちなみに料理の作り置きサービスは、月に4回で2万5000円~3万円(材料費別)、お掃除は、1回1万円程で月4回程度利用しているという人が多いようです。竹下家もこれらのサービスを利用できるような家計になるように、早速、見直して行きましょう。具体的にどうすればいいでしょうか。
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