「TX」次々繰り出す対策でトラブル減らせるか

つくばエクスプレス20秒早発は大問題だった

つくばエクスプレス(TX)が新たに導入した運転シミュレーター。ホームドアの安全確認用モニター(右)もリアルに再現されている(撮影:尾形文繁)

鉄道会社の運転シミュレータは、運転士や車掌が本番さながらの訓練を行うために、実際の車両の形を再現した本格的なものも少なくない。ところが、つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道が4月に導入した運転シミュレーターは、運転台をついたてのような仕切りが取り囲んでいるシンプルな造りだった。遠目にはとても運転シミュレーターには見えない。

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「確かに他社のように本格的なものではありません。しかし、当社は運転士だけのワンマン運転なので、簡易型で十分なのです」。TXの担当者がシンプルな造りにした理由を説明した。その分、運転席は実際の列車の部品を使って、寸分たがわず忠実に再現したという。

あらゆる異常事態を再現

この運転シミュレーターは守谷駅(茨城県守谷市)にある講習室に設置され、4月23日から運用が始まった。見掛けは確かにシンプルだが、それでも導入費用は1億円を超えた。3D映像を用いて路線上の様子をモニターにリアルに再現することに多くの資金を費やしたためだ。

運転シミュレーターでは、強風で飛来物が架線に付着した際に、運転士がパンタグラフを降下させる訓練も可能だ(撮影:尾形文繁)

突然の異常に直面した際の運転士の対応力を向上させるのがこのシミュレーターの目的だ。モニター上にあらゆる異常事態が再現される。たとえば、強風により飛来物が架線に付着していることを発見したら、列車を停止させパンタグラフを降下させる。あるいは、ホームでの乗降時に駆け込み乗車があった場合、ドアを開けて安全確認を行うといった具合だ。

運転異常と車両故障を合わせ50項目を超える異常事態が運転席前面のモニターに描画され、運転士の対応を訓練する。もちろん、訓練に臨む運転士にどんな異常事態が起きるか事前に伝えることはしないため、臨場感たっぷりの訓練を実施できるという。

従来、異常時対応は机上の研修または車両基地での訓練に限られていた。ただ、車両基地で異常事態を再現できたとしても、訓練できる運転士の人数は限られ、車両基地には来たもののほかの運転士の訓練を見ているだけという運転士も少なくなかった。

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