BMW「X2」は「X1」「X3」と一体何が違うのか クロスオーバーSUVの3兄弟を徹底比較

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次にデビューしたばかりのX2だが、これはX1のクーペ版となる。そのため、プラットフォームもX1と同じくUKLプラットフォームとなり、前輪駆動レイアウトとなっている(こちらも4WDもあり)。近年のBMWでは偶数の車名を持つものはクーペやカブリオレ(2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーを除く)としており、Xシリーズもその規則性に従っているというわけだ。ちなみにXシリーズの偶数モデルは、奇数モデルがSAVと名乗っているのに対し、SAC(Sports Activity Coupe)と名付け、まったく新しいカテゴリーの車両だとしている。

一方のX3も昨年の10月に新型になったばかりのモデルとなる。こちらも車名のX3から3シリーズがベースと思ってしまいそうだが、新型X3に採用されているプラットフォームは5シリーズなどに採用されているOKLプラットフォームだ。

つまり、5シリーズのSUV版と言ったほうが近いことになる。価格も639万円~と、5シリーズセダンの635万円~に近いものとなっている。もちろんX3は全車4WDだったり、搭載エンジンが異なったりと細部において異なる部分があるために一概に比較はできないが、X1やX2に比べるとかなり車格がアップするということになるだろう。

ボディサイズはどう違う?(スタンダードグレードでの比較)

BMW X1(写真はBMWのサイトより)

X1のボディサイズは全長4455mm×全長1820mm×全高1610mmとなるが、X1をベースとしたX2のボディサイズは全長4375mm×全長1825mm×全高1535mmとなり、わずかに全幅が大きくなり、全長と全高は小さくなるというワイド&ローなスタイルに変貌している。注目すべきは全高の1535mmで、このサイズであれば一般的な全高1550mmまでという立体駐車場に入庫することも可能となるので、都心部のユーザーにとっては魅力的なポイントになるだろう(もちろん全幅に気を遣うが)。

X3は5シリーズがベースということもあり、全長4720mm×全長1890mm×全高1675mmという堂々のサイズ。といっても取り回しに苦労するほど巨大というわけではなく、国産SUVでいえばトヨタ自動車の「ハリアー」に近いサイズのため、普段使いでも大きく苦労することはなさそうだ。もちろん、立体駐車場やパレット式駐車場への入庫はできなくなる可能性はある。

ラゲッジスペースの容量は外観からの見ためどおり、X3>X1>X2となる。内装の仕立てや質感については、先代X1はやや物足りない部分もあったが、新型はBMWのプレミアムコンパクトSUVとしてふさわしいレベルまで向上しており、X3はより上級になっていると考えてもらえばいいだろう。

搭載エンジンはどうなっている?

BMWといえばシルキーシックス(6気筒)というイメージがいまだに強いが、ダウンサイジングの波はBMWにも押し寄せており、X1とX2の18i系には、1498ccの直列3気筒ターボのガソリンエンジンが搭載されている。出力的には103kW(140馬力)/220Nm(22.4kgm)と、2リッターNAクラスと遜色ないものとなっているが、サウンド的にはやや物足りない印象があるのもまた事実である。

それ以外には2リッターの直列4気筒ターボエンジンがX1~X3まですべての20i系に搭載される。搭載車種によってチューニングがやや異なるものの、基本は同一のものであるが、X1にのみ同じ2リッターターボのハイパワー版が搭載される25iというグレードが用意されている。

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