もはやメーカー、ブランドを問わずラインナップしなければ生き残れないと言っても過言ではないほどの人気ジャンルへと成長したクロスオーバーSUV。ここでいうクロスオーバーSUVとは、本格的な悪路走行に特化したクロスカントリーSUVではなく、乗用車のシャーシをベースに高めの車高や大きなアプローチアングルなどを備えて走破性を高めたモデルのことを指す。
今ではベントレー「ベンテイガ」や、ロールスロイス「カリナン」といった超高級ブランドでさえ、このジャンルの車種をラインナップしている(せざるをえない?)状況からも、その人気の高さをうかがい知ることができる。
そんな輸入車ブランドの中でも比較的早くクロスオーバーSUVというジャンルに進出し、今では幅広いラインナップを備えるメーカーが存在する。それがドイツのBMWだ。BMWではSUVではなく、「SAV(Sports Activity Vehicle)」と称し、商標登録までしているが、それに該当するのが「Xシリーズ」ということになる。
Xシリーズが誕生したのは2000年のこと。当時の4代目5シリーズをベースに作られた「X5」が始まりだった。そして2004年には「X3」が、2009年にはプレミアムコンパクトSUVとなる「X1」が続き、今年の4月には最新モデルとなる「X2」もリリースされた。XシリーズはX1から「X6」まで6機種(Mモデルも入れると8機種)の大所帯となっている。
そこで気になってくるのが、それぞれ何がどう違っているのかという点だろう。特にX1からX3については比較的買いやすい価格帯ということもあり、比較検討したいユーザーも多いハズ。ということで、今回はこの3つのXシリーズについて比較をしてみたいと思う。
それぞれのベースとなる車種は?
初代のX5が5シリーズの派生車種だったように、現行のX1~X3も基本プラットフォームを共有する車種というのが存在している。X1のプラットフォームはUKLプラットフォームと呼ばれるものが採用されており、これは2シリーズのアクティブツアラー/グランツアラーや、同じグループであるミニにも使用されているものとなり、前輪駆動レイアウトのプラットフォームとなっているというわけだ(もちろん4WDの設定もある)。
先代のX1が3シリーズの後輪駆動レイアウトのプラットフォームを共有していたことを考えると走りを楽しみたいユーザーにとってはやや残念に思えるかもしれないが、居住性は大幅に向上しラゲッジスペースも拡大しているので、SUVでは正常進化と言っても差し支えないだろう。
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