ローソンのコーヒーは、なぜ「手渡し」なのか 負担軽減のため、競合は「セルフ方式」を採用

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平石氏は「お渡しのスピードは遅く見えているかもしれないが、注文受けたらまずボタンを押してね、といっている。抽出している間に会計をして、終わったころにお渡しができる。セルフよりも対面販売の方がお客様に早く提供できるメリットがあると考えている」と強調する。加盟店によっては、客の希望を聞いて砂糖やミルクを入れて提供しているほか、マシンの活用が難しいシニアには手渡し式が喜ばれるという。

「負荷になっている」という声も

これに対し、都内でローソンを運営する加盟店オーナーは「本部のコンセプトは理解している」と前置きした上で、「現状はどこの店も負荷になっている。お客さんはコンビニに会話をして和むといったことをそこまで求めていない。外国人の店員も増えており、日本式のおもてなし、オペレーションがうまくできないケースも増えてきている」と指摘する。

ローソンはスマートフォン決済などの実証実験を進めるなど、人手不足への対応を模索している(撮影:風間仁一郎)

こういった状況を受け、ローソンも一部店舗(全店の4~5%)ではセルフ式のマシンを導入している。手渡し式、セルフ式両方の店舗を運営するオーナーは「『セルフにするとこんなに楽なんだ』と感じた」と話す。

マチカフェを担当する山田氏は「最初は手渡し式でやっていたが、若干切り替えてセルフと両立している。店舗によって、たとえば都心店はセルフ、田舎は手渡し式という、マーケットに合わせたやり方にしようというのが竹増社長の方針」と説明する。

嗜好品であるコーヒーは、来店頻度増加につなげられる商品であるため、各社とも注力しているカテゴリーだ。提供方法で差別化を図ってきたローソンだが、人手不足で少しずつ軌道修正を迫られている。新たな独自色を打ち出すことはできるか。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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