女性ジャーナリストは、なぜ爆殺されたのか マルタとアゼルバイジャンを結ぶ点と線

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トンナ氏及び彼のロシア人顧客2人は、当件についてのコメントを拒否した。3番目の顧客には辿り着くことが出来なかった。

警察は動かなかった。FIAUからの報告書を何度も受け取っており、同じファイル番号で登録したのも関わらず、2017年にマルタ警察長官のローレンス・クタジャールが欧州議会の代表団に対して、FIAUからの報告書を「公式には」受け取っていないと述べた理由を問い合わせた。マルタ警察は、このロイター通信からの問い合わせには答えなかった。

2017年に野党の政治家による申立が行われ、トンナ氏によるシェンブリ氏の口座への振込は現在、治安判事による調査が行われている。

シェンブリ氏は、ロイター通信に対する声明の中で、当件は調査中のため詳細を述べることは出来ない、としながらも、ブライアン・トンナ氏への融資に違反は無かった、と主張している。同氏はまた、マルタ政府は「漏洩文書や漏洩したと言われる文書の真偽」についてはコメントするつもりはなく、FIAUに接近することも、FIAUに影響を与えることもない、と付け加えた。

当件の調査中にシェンブリ首席補佐官の職務を停止させなかったとして、欧州議会の一部議員から批判を受けたムスカット氏は、「いかなる質疑も真摯に受け止める」と話した。また、「違法行為が発覚した場合、当該行為を行った人物を即刻解任する」とも話した。

視点を変えて

2016年9月、マルタの金融査察官はピラトゥス銀行に戻った。彼らの追加報告はメディアに公表されなかったが、1月、同銀行は欧州議会に対して、前回訪問時には発見出来なかったPEPに関する書類が見つかった、と述べた。

銀行側は、詳細については隠したものの、FIAUから「怪しい点は無くなった」との評価を頂いた、と話している。

2018年4月、FIAU側は、この評価の意味についての記者への説明を拒絶した。FIAU側は、顧客の機密性とEBAの下で行われている法的審査を列挙し、返答は「かなり掘り下げた内容かつテクニカルなものであろう」と話した。「しかし、追加の現地審査に続いて、制裁の賦課金を徴収するにあたっての十分な根拠がないとFIAUが判断するには十分である。」

2006年から少なくとも2014年5月まで、「米国の制裁を甚だしく違反し、イラン企業やイラン人の代わりとして、全米からおよそ1億1500万ドルを集めた」と主張するアメリカ当局は、3月19日にピラトゥス銀行の創業者を逮捕した。その起訴状には、ピラトゥス銀行またはアゼルバイジャンに関する言及は無かった。

サドル氏が逮捕された2日後、マルタ当局は同氏のピラトゥス銀行における全職務を剥奪し、銀行の営業活動も停止させた。容疑を認めていないサドル氏は、今なお米国内で拘束されている。同氏のピラトゥス銀行でのあらゆる活動が調査されているのかどうか、同銀行がこの起訴に少しでも関わっているのかどうかの質問には、連邦捜査局(FBI)および連邦検事は答えることはなかった。

ダフネ・カルアナ・ガリツィア氏、2012年撮影(写真:REUTERS/Darrin Zammit)
フランチェスコ・グアラシオ(ブリュッセル)とスティーヴン・グレイ(ヴァレッタ)によるレポート。編集:サラ・レドウィズ、リチャード・ウッズ
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