女性ジャーナリストは、なぜ爆殺されたのか マルタとアゼルバイジャンを結ぶ点と線

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FIAUはその声明の中で、ピラトゥス銀行は数々の捜査に対応してきたが、査察官は依然として懸念を抱いていたため、機関としては同銀行を審査中としていた、と主張した。

「ピラトゥス銀行の一件を、マルタにおける反マネーロンダリング(AML)規制不全の一例とする事には同意しかねる。一つのケースだけを見て、そのような結論に至るべきではない」と述べている。

ピラトゥス銀行の創業者はイラン人

ピラトゥス銀行の創業者アリ・サドルは、裕福なイラン人ビジネスマンの子息であった。彼は2013年2月に、マルタの銀行免許獲得に向けた書類を提出した。MFSAは、「イランのリスク特性」のため、独立した第三者機関の情報報告書の作成依頼も含め、「通常の委任プロセスに従った」としている。ピラトゥス銀行は2014年1月に免許交付を受け、その直後に営業を開始した。

取材に応じるアリ・サドル氏(2017年、「Times of Malta」のマーク・ザミット・コルディナ氏撮影 / REUTERS)

ムスカット氏は、声明でこう述べている。「ピラトゥス銀行の免許交付手続きは、政府とは完全に独立しており、細心の注意を払って行われたものである。この手続きが、ピラトゥス銀行のために『簡略化』されてはいないと理解している」。

「ピラトゥス銀行に誰の口座があるか詳しくは知らない。誰がマルタや他の銀行に口座を持っているか知らないし、首相としても知っているはずがない。」ムスカット氏はこうも述べた。

ムスカット首相の側近であるキース・シェンブリ氏、2017年撮影(写真: REUTERS/Darrin Zammit Lupi)

2015年6月、ムスカット氏とシェンブリ氏は、イタリアのフィレンツェで行われたサドル氏の結婚式に参列した。ムスカット氏によると、結婚式は異例というわけではなく、この式に合わせて短い休暇を取ったという。「マルタに投資頂き、何度もお会いする人を存じ上げていますように、サドル氏のことも存じ上げています」。ムスカット氏はそう述べた。マルタのメディアに対して、「私も結婚式に参加していました」とシェンブリ氏は述べたが、ロイター通信からの質問には答えなかった。

マルタ・フランス・ドバイにおける企業及び土地登録証は、ピラトゥス銀行に口座を持つアゼルバイジャン系企業が、数百万ユーロを費やし、ドバイの不動産や高級家庭用リネン・高級磁器を製造するフランスの3工場を購入したことを意味する。マルタの会社登記簿によると、同銀行の法人顧客の一部には、財務会計を一度も提出していないマルタの企業が含まれており、その実態は、僅か数か月で取締役によって解散された企業であった。

2016年3月、MFSAとFIAUはピラトゥス銀行への査察を実施した。査察報告書によると、同銀行はPEPとして分類すべき全顧客を、PEPとして分類していなかった、とのことである。また、重要な文書は未署名のままで、預金の出所を示す文書が無いこともあったようだ。

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