積水ハウス株主が「不動産詐欺」に抱く不満 株主総会は過去最長ながら、出席株主は減少

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最初は顔がややこわばって見えたという和田相談役。だが、株主優待のおコメの量をもっと増やしてくれと訴える株主がいたようで、繰り返し同じことを訴えるその様子に、和田相談役の顔にも笑みがこぼれる場面があったそうだ。

和気あいあいとした雰囲気だった

今回の株主総会に先立ち、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、積水ハウスの取締役選任議案について反対を推奨。阿部会長と稲垣士郎副会長の選任を問題視していた。ISSは役員賞与支給の議案も支持しないと表明していたこともあって、波乱の株主総会になるのではないかとの憶測も流れていた。

今回の株主総会に先立ち、議決権行使助言会社からは阿部俊則会長の取締役選任について反対が推奨されていた(写真は2016年11月のもの、撮影:今井康一)

だが、ふたを開けて見れば機関投資家など大口株主の意向を反映し、すべての議案がすんなりと可決された。株主代表訴訟に関する意見や質問も出ることはなく、何らかの株主提案が提起されることもなかった。

山本さんによれば、議場内は積水ハウスOBと思われる株主が多く、半ばOB会の様相を呈していたという。それだけに5~6個のかなり厳しい質問を除くと、「一種、和気あいあいとした雰囲気が漂い、何か不穏なことが起きる要素はかけらも感じられなかった」(山本さん)。

積水ハウスは現在、5期連続で最高純益を更新するなど、業績は好調を維持している。株価は2018年1月に2000円台を割り込んだとはいうものの、2000年以降でみると高値圏内に踏みとどまっている。配当も連続で積み増すなど株主にとっては居心地のよい状況だ。こうした背景がなければ、もっと荒れた株主総会になっていたかもしれない。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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