積水ハウス株主が「不動産詐欺」に抱く不満 株主総会は過去最長ながら、出席株主は減少
その後、ほどなくして始まった質疑応答では、述べ18人の株主が質問に立った。1人で複数の質問をする株主をいたため、20数個の質問と6~7の意見が寄せられたという。
「私たちは何の不満もないから」と総会の感想を語ってくれない人が多い中、大阪市内から参加したという30代会社員の山本さん(仮名)は、召集通知書にびっしりと書き込んだ詳細なメモを見ながら、総会の内容を教えてくれた。
詐欺事件に対する株主の反応
山本さんによれば、目立ったのは詐欺事件にかかわることだったという。たとえば、「55億円の特損を計上したが、これを発行済み株式数で割れば1株あたり9円の増配ができたはず」であるとか、「これだけの損害を与えておいて前年と同じ役員報酬を受けるのは納得できない。カットするのが当然」という厳しい意見が耳に残ったという。
また、数人が和田相談役の取締役退任に関して、「阿部現会長を社長に引き上げたのは和田相談役。和田さんを辞めさせるのは裏切りだ」「解任された格好になっており、世代交代を進めるためという理由では納得できない」という意見も出ていたという。
ただ、冷静にメモを読み返してみると、実は詐欺事件に関する質問は半分にも満たず、取締役選任に関する質疑もほとんど出ていない。
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