トランプ・金正恩会談、一体何を話し合うのか いまだ基本的な要素は確定していないが…
トランプ氏はツイッターへの投稿で「北朝鮮情勢の解決にはまだ長い道のりがある。うまくいくかもしれないが、いかないかもしれない。時がたてば分かるだろう」と述べた。
トランプ政権は、北朝鮮に「完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化」を求めるとしているが、どのような戦略で交渉を進めるのか詳細はほとんど明らかにしていない。
米政権は、過去の失敗は繰り返さないとしている。だが、不首尾に終わった数十年間に及ぶ北朝鮮との交渉の歴史を見れば、今後数年を要するであろうこの交渉がたどる道筋を知ることができる。
非核化
1990年代初頭以降の北朝鮮との国際交渉は、核ミサイル開発を放棄させることを目標にしてきた。だが北朝鮮は昨年、水素爆弾と大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる兵器の実験を強行している。
トランプ政権の次期国務長官に指名されたポンペオ中央情報局(CIA)長官は、今月行われた上院委の指名公聴会で、米朝首脳会談によって北朝鮮から外交的結果を引き出す軌道に乗ることを楽観視していると述べた。しかし、この会談で包括的合意に至るとの幻想を抱いている者はいない。
「北朝鮮指導部に対して、米国を核兵器のリスクにさらすことから手を引かせるような合意」を目指していると、ポンペオ氏は同公聴会で述べ、米国の国益を最優先する考えを示した。この公聴会前に同氏は北朝鮮を訪れ、金委員長と会談している。
ポンペオ氏の発言は、トランプ大統領が北朝鮮に対してICBMについての早期合意を優先し、同盟国を脅かす短距離ミサイルの問題は棚上げにするのではないかとの懸念を日本と韓国に植え付けた。専門家は、北朝鮮がICBMを完成させるにはなお数回の発射実験が必要であり、金委員長が表明した実験停止には大きな意味があると指摘する。
昨年9月の核実験と11月のミサイル実験以降、北朝鮮が事実上、実験を凍結していることは、米朝交渉の環境整備に寄与している。