シリア攻撃が示した米国の決定的な「異変」

攻撃は儀式化された劇のようでもあった

現在のダマスカスの様子(写真:Ali Hashisho/ロイター)

米国主導のシリア攻撃は、少なくとも今のところは終了したかもしれないが、攻撃を生み出した戦争、そしてその戦争に油を注いだより大規模な国際対立は、ますます複雑さを増すばかりだ。

4月17日早朝、シリアのメディアは、国境付近で1週間経つか経たないかの間における2度のイスラエルによると見られる空爆を報じた。西側では、週末の米国、英国、フランスによるシリアの化学兵器施設への105発のミサイル発射に対し「報い」を公言したロシアがどのように報復するか、憶測が続いた。西側当局者はロシア政府によるサイバー攻撃の可能性を特に懸念している。

米政府が直面するより厄介な状況

こうした中、西側諸国とその湾岸同盟国は、依然として次のステップを打ち出すのに苦労している。ドナルド・トランプ米大統領は相反するメッセージを送っている。すなわち、シリアからの米軍撤退を望むと言う一方、バッシャール・アサド政権による化学兵器の使用を阻止するための軍事行動を継続すると約束しているのだ(さらなる混乱状態を表すのは、エマニュエル・マクロン仏大統領によるシリアの米軍駐留継続をトランプ大統領に説得したとの主張の撤回だ)。

より広範囲にわたる対ロシア政策に対しても、不透明な状態が続いている。ホワイトハウスは、ロシアに対する一連の新制裁の予定に関するニッキー・ヘイリー米国連大使のこれまでの発言についても覆しているからだ。

これらすべてが、米政府のより大きな、より厄介になるばかりの現実を暗示している。ある意味で、シリア攻撃は米国の軍事力の及ぶ範囲や視野を強力に再認識させるものだった。これはロシアがミサイルは迎撃する、ミサイル発射点となる軍用船や軍用機には反撃を仕掛ける、という脅しを有言実行することに明らかに、米国が躊躇していたことからもわかる。

この最近の攻撃によりアサド大統領の化学兵器の再使用阻止に実際に成功したとしても、米国離れが進む中東および周辺地域のより大幅な地政学的勢力均衡を阻止するものではない。

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