体調不良につながる「血糖値スパイク」の深刻 疲労感、頭痛など様々な症状を引き起こす
最近よく聞かれる「血糖値スパイク」という単語。血糖値が乱高下する症状を言いますが、これを繰り返していると日常のパフォーマンスが大きく下がるだけでなく、肥満にもつながります。でも現代人の食生活は、血糖値スパイクを引き起こすものがいっぱい。そこで糖尿病専門医である牧田善二先生に、「血糖値スパイク」が起こる仕組みと予防法について教えてもらいました。
その不調、実は低血糖かも…
健康な人の血糖値は、空腹時で約80~90mg/dl。これが食事を摂ると、1時間後に120mg/dlくらいまで上昇し、再びゆっくりと下がっていきます。
しかし一度に大量の糖質を摂ると、30分ぐらいの短い時間で血糖値が急上昇。すると膵臓はこれを下げようと慌てて大量のインスリンを分泌するため、今度は血糖値が急降下する。これを「血糖値スパイク」と言います。
「血糖値が急降下すると、当然、低血糖に陥ります。70ml/dlを切ると眠気や体のだるさ、イライラ、頭痛、吐き気といった症状が起きるようになり、さらに50ml/dlを切ると、ふるえや動悸、めまい、血圧上昇、脈や呼吸が早くなるといった症状も起きてきます。そして30ml/dlを切ると、意識がもうろうとしたり痙攣を起こしたりするだけでなく、最悪の場合は意識がなくなって昏倒することもあるのです。
怖いのは、血糖値スパイクを繰り返していると膵臓が正常に働かなくなり、必要以上に血糖値を下げてしまうようになること。これを『反応性低血糖症』と言うのですが、代表的な症状には、やたら眠くなる、疲れやすい、やる気が起きない、集中力が続かない、不安、動悸、といったものがあります。
これが低血糖からくるものとは気づかず、症状から精神科や心療内科に行き、うつ病や自律神経失調症と診断されている人は非常に多いのです」