将棋AI「HEROZ」上場、株価急騰で問われる実力

社員数わずか39人、時価総額は1400億円に

HEROZの創業者である林隆弘CEO(左)と高橋知裕COO(右)。NECの同期入社で、2009年にHEROZを立ち上げた(撮影:今井康一)

1日の対局数は25万局――。将棋対戦アプリの中で屈指の人気を誇る「将棋ウォーズ」の運営会社HEROZ(ヒーローズ)が4月20日、東証マザーズに上場した。

投資家の期待が高く、上場初日から買い注文が殺到。初日、2日目とも売買が成立しなかった。3日目の24日、公開価格4500円の10.9倍となる4万9000円でようやく初値を付けた。同日終値(4万2000円)で計算した時価総額は1400億円にのぼる。株価について林隆弘CEO(最高経営責任者)は、「あくまでマーケットが決めること。僕らがどうこう言うことではない。やれることをしっかりやっていく」と冷静に受け止める。

将棋対戦アプリが大ヒット

同社の主な事業内容は、AI(人工知能)を活用したインターネットサービスの企画や開発、運営。収益の柱は、冒頭の将棋ウォーズに代表される消費者向け(BtoC)サービスだ。

HEROZの稼ぎ頭である将棋対戦アプリの「将棋ウォーズ」。4月時点でダウンロード数は440万回を超えた(写真:HEROZ)

将棋ウォーズは2012年に配信がスタート。「堅い」という将棋の印象を一変させるデザイン性が、多くのユーザーを引き付けている。国内の将棋人口が約1000万人と言われる中、ダウンロード数は440万回を突破。林CEOは将棋のアマ六段で大学在学中に学生名人になった経緯もあり、目をつけたのが将棋だった。

1日3局までは無料で対戦することが可能で、月額600円で1日の対局数制限を外すこともできる。さらに同コンテンツで人気なのが120円の課金で自分の代わりに5手連続でAIに指してもらうサービス。この代行指しをしてくれるのが「Ponanza(ポナンザ)」という将棋AIだ。2017年に将棋の佐藤天彦名人に2戦2勝した最強の将棋AIで、初心者でも将棋の楽しさを味わえる工夫が人気の理由の1つになっている。

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