将棋連盟、谷川会長が辞任会見で語ったこと わずか15分の会見で見えた「トップの器」
1月18日。日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞意を表明した。正式には翌19日開催予定の理事会に諮られて辞任が決定するという。理事会の決定前に記者会見を開いた理由を谷川会長は「報道が先行したから」とした。
谷川会長は2012年に会長に就任。理事会の役員任期は名目2年だが、会長任期に定めも慣例もない。前任の米長邦雄氏(故人)は7年、その前の中原誠氏が2年、さらにその前の二上達也氏(故人。羽生善治永世名人の師匠)は14年、さらにその前の大山康晴氏(故人)が13年と言った具合だ。ただ谷川会長はまだ54歳と若く、何もなければ10年以上の長期政権が4年前の就任時に嘱望されていた。
辞任の最大の理由は「心身ともに不調」
辞意の理由として、谷川会長は2つを挙げた。一つは「対応が後手に回ったこと」、もう一つは「心身ともに不調」だ。「辞任を決めるうえでどちらが大きかったのか」という質問に対して「心身の不調が一番だ」とした。「(少なくとも棋士総会のある)6月までは会長を務めようと思っていた。年末年始に休養をとることで少し(調子が)戻るかと思ったが戻らなかった。年が明けて、人前できちんと話ができるか不安になった」(谷川会長)。
「全理事が辞任すべき」という声が棋士の間で挙がっている中、会長辞任でケリをつけるつもりなのかどうかも「そういう話は聞いていない」と述べるにとどまった。
「心身ともに不調」については「プライベードなことなので」としながらも、昨秋から「胃がキリキリ痛む」「夜何度も起きる」と症状を説明した。実際、会見に姿を現した谷川会長の腹回りは以前よりも随分とやせ細って見え、不調ぶりは明らかだった。
「対応が後手に回ったこと」というのは、昨秋の三浦弘行九段を出場停止処分にした件に絡んでの発言である。
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