将棋連盟、谷川会長が辞任会見で語ったこと わずか15分の会見で見えた「トップの器」
日本将棋連盟は、久保利明九段や渡辺明竜王の話を基に、三浦九段を出場停止処分にした。竜王戦の挑戦者に決まっていた三浦九段は挑戦権を失った。竜王戦が終わった後に第三者委員会の報告書がまとまると、そこには驚くべき結論が書いてあった。疑惑の端緒となった三浦九段の「30分の離席」はそもそも存在しないし、三浦九段や家族のパソコン、携帯端末を調べても、対局中に将棋ソフトを参照した履歴は出てこなかった。
将棋ソフトは今やトッププロに匹敵するところまで進化している。こうした不正疑惑が誰かに生じるのは火を見るより明らかだった。それなのに、金属探知機を設置するなどして対局場に通信端末を持ち込まないなどの対応が「後手に回った」ことの責任を取って辞任するのだと谷川会長は語った。
新会長は「知名度のある方に」
新しい会長は臨時の棋士総会を経て選ばれる。総会開催の日時は19日の理事会で決める。総会で選ばれた理事が協議して新会長を決める。それまでは谷川会長が続投する。
新会長に相応しい人物像を問われ、谷川会長は「新会長は知名度のある方が相応しいのではないか」と述べた。
将棋ファン、棋戦の協賛会社、三浦九段への誠意を示すために辞任すると言いながら、辞任を決めた一番の理由が「心身ともに不調」では、三浦九段をはじめとした多くの棋士は納得しないにちがいない。会見は会長の体調不良を理由にわずか15分、質疑応答はたったの5分だった。谷川会長が説明責任を果たしたとは、誰も思わなかったのではないか。
一連の不祥事で明らかになったのは、谷川会長は人の上に立つ者には向いていなかったということだ。ポストが人を作るということがままあるが、谷川会長においてはそういうことは起きなかったということである。
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