将棋AI「HEROZ」上場、株価急騰で問われる実力 社員数わずか39人、時価総額は1400億円に

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「サーバーに投資することで、BtoCだけではなくBtoB事業の強化に向けた環境を整える。その際、取引先のデータがないとわれわれのビジネスは成り立たない。貴重なデータを預かる上では信用力が必要であり、そのような点も考慮して上場するほうがいいと判断した」(林CEO)

AIは継続的にデータを入力し、その結果をフィードバックして機械学習を続けることで精度が高まっていく。そのため、いったんHEROZのAIサービスを活用する企業にとっては、継続利用のインセンティブが働くことになる。

名人を破ってから引き合い増加

特に将棋AI「Ponanza」が佐藤名人に勝利した昨年5月以降は、HEROZと協業したいというオファーが数多く寄せられたという。「AIで業務効率化を図りたいという会社は数多くあるが、当社としては業界を変えるぐらいのインパクトがある事業や分野で協業したい」(同)。

高橋知裕COOは「AIを単にツールとして使うだけでなく、AIを実装できる人材を求めている」と強調する(撮影:今井康一)

目下課題となっているのが人材の確保だ。社員数は現在39人だが、そのうち約3分の2がエンジニア。そのエンジニアのうち7割がAIアルゴリズムの開発に携わる。こうした人材は競合との獲得競争が過熱しており、今回の上場による知名度向上も生かし、人材確保に注力する構えだ。

2018年4月期のBtoB事業による売上高見通しは非開示ながら、前期比で4倍以上を見込んでいるという。足元ではBtoCが主力だが、将来的にはBtoBが同社の柱に成長していく青写真を描く。将棋ウォーズで培ったノウハウを生かして、株式市場の高い期待に応えることができるか。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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