スルーされる国・日本に外国人を呼ぶ方法 国家PRのプロ、BBCアドバタイジングが分析

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五輪に絡めて、世界中でいろいろな報道をされ、東京や日本への期待が高まる。日本へ行く気がない人であっても、日本を知りたくなる。初めて日本へ来る人はとても大切です。五輪を見に来た人が、後にほかの人が来るための誘因となるからです。初来日で、日本が親しみやすく、礼儀正しく、客に親切であることを知ってくれます。

英語下手?ノープロブレム!

――ただ、日本人は英語が下手だと思っています。

人々が心地よくなるために、身振り手振りは非常に多くのことを伝えられます。空港やタクシーで必要な、基本的な英会話は政府が指導するでしょう。案内標識の多言語表示も進むでしょう。すべきことは多いですが、語学力よりも日本人の礼儀正しさなど、伝えられることはあります。英語は障害にはなりません。自信を持ってほしい。

――それでも、日本人は宣伝があまりうまくないのでは。

日本車を上手にプロモーションしているじゃない。

――いや、作るのと売るのは得意かもしれませんが、PRは下手くそなのでは。

日本人ではないから日本文化についてあれこれ言う資格はありませんが、しっかり作って、あとは語らず、みたいなものが日本の伝統かもしれない。それが日本の文化であり歴史です。

ただ、観光業界では、「日本を語ること」が重要なルール。外国人を呼び込むことが日本で仕事や雇用を生み、日本人の国際化につながるのです。日本政府もそう考えていると思いますよ。

――その意味では、五輪をゲットした日本のプレゼンはうまかったのかな。

そのとおり。イスタンブールを打ち破ったじゃない(笑)。2016年大会に向けては負けたけど、今回は勝った。チャレンジスピリッツの勝利。やればできる(We can do it.)。

北京での五輪開催がそれほど前ではないのだから、アジア地域で、しかも中央アジアでなく東アジアで開催するのだから、今回の招致決定は驚くべき勝利ですよ。

(撮影:梅谷秀司、今井康一)

『週刊東洋経済』10月19日号の巻頭特集は「おもてなしで稼ぐ」。東京五輪まで約7年、日本が観光立国となるための方法や課題について、豊富なケーススタディや地域の取り組みを通して紹介しています。

 

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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