セブン&アイHD、井阪改革1年目の「通信簿」 コンビニ好調の一方、百貨店やEC戦略に課題

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北米のコンビニ事業も順調に拡大している。セブン&アイは今年1月、米スノコLP(テキサス州)からコンビニとガソリンスタンド計1030店を取得。こうしたM&Aをテコに、中期計画の最終年度にあたる2020年2月期に1万店体制を目指す。

一方、GMS(総合スーパー)や百貨店事業は苦戦している。GMSの主力業態であるイトーヨーカドーは不採算店舗の閉鎖を断行。2017年2月期から2021年2月期までに40店の閉鎖を計画していたが、現在すでに24店を実施済み。今期も7店舗の閉鎖を計画する。

中期計画に沿って順調に進む店舗スクラップとは対照的に、100日プランで掲げた店舗立地を活かした不動産再開発の進捗については、「成果ゼロ」という状況だ。セブン&アイはGMSについて「(開業)30年以上の店舗を対象に店舗再開発を検討する」としていたが、現在は「2020年2月期に4店舗を再開発」ということしか決まっていない。少なくとも今期中に再開発店舗は出てこない。

H2Oとの協業は進んでいない

百貨店事業にいたっては、業界全体が構造不況に陥っていることもあり、収益が伸び悩んでいる。2018年2月期のそごう・西武の営業利益は50億円(前期比17.1%増)と一定の改善は進んでいるものの、中期計画で掲げる2020年2月期の営業利益130億円という目標には程遠い。今回、セブン&アイはそごう・西武について、目標数値の達成時期を1年先送りすることを明らかにした。

2月末に閉店した西武船橋店。地方店を中心に、百貨店のリストラは今後も続く可能性がある(編集部撮影)

中期計画では資本業務提携先の「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとの協業」を打ち出したが、こちらも成果はいまひとつだ。昨年10月にはそごう神戸店、西武高槻店をH2Oリテイリングへ譲渡したが、当初予定していた3店舗から2店舗に後退する結果となった。

H2Oリテイリング傘下である阪急阪神百貨店グループの「Sポイント」とのポイント連携も、「セブン-イレブンでも展開できるように準備しているが、すぐに導入できる段階というわけではない」(H2Oリテイリング関係者)と、若干遅れ気味のようだ。そのほかの協業策については、「話ができるレベルに達していない」(同)という。

今年2月には、西武船橋店と西武小田原店を閉店に踏み切った。「成長よりも、もう一段の構造改革」と井阪社長が強調するように、百貨店事業についてはさらなるリストラが必要となるかもしれない。

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