違法風俗店街が変身!「黄金町」高架下の挑戦 「ちょんの間」転じてアーティストの街に

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タイニーハウスはこのように運搬できる「動産」だ(画像提供:YADOKARI)

そんな中、京急電鉄は高架下活用の新たな取り組みとして「タイニーハウスホステル事業」を今春から始めると2月に発表した。タイニーハウスとはリーマンショック以降アメリカで広がった小さな家で、多くは自動車で牽引可能な動産だ。家の形だけでなく、必要最低限のものだけを所有するシンプルな暮らし方でもあり、日本では東日本大震災以降に断捨離・ミニマリストといった同じようなライフスタイルが広まりつつある。

そしてこのタイニーハウスを使った暮らし方の提案を日本で行っているのが、今回の事業で京急電鉄と組むYADOKARIだ。同社は動産活用による遊休地や暫定地の企画・開発などを手掛けており、今回の事業では高架下の敷地約500平方メートルに1棟当たり13~14平方メートルのタイニーハウスを計5棟設置する。ホステルに使うのはうち3棟で、残る2棟はカフェバーと大岡川を利用した水上アクティビティの拠点とする予定だ。ターゲットは「タイニーハウスやミニマルな暮らしに興味のある若年層、インバウンド、ファミリー、横浜エリア近郊の住民」(YADOKARI・広報)と幅広い。

「アートの次のまちづくり」へ

高架横には大岡川が流れる。戦後は写真左手の陸地が進駐軍により接収された(筆者撮影)

この事業では、高架下を貸し出す京急からも「アートの次のまちづくり」をしたいという思いがうかがえる。「黄金町地区はアートによるまちづくりでにぎわいが出てきたが、これを日常的なものにしたいと思っている。そこでフォトジェニックでアートや水上アクティビティと相性がよいものとしてタイニーハウスホステルというアイデアが出てきた。YADOKARIとは2017年初めから1年かけてプロジェクトを進めている」(京急電鉄・広報)。日常的なにぎわいはまちづくりにとっては大きなカギだ。特に高架下脇の道は暗く、まだ店が展開していくには難しい場所だ。まずは高架下でも開放的な場所を使って日常的なにぎわいを生み出し、周辺に広げていきたいという思惑もあるだろう。

その点は、黄金町でまちづくりをしている人々も同じ思いだ。「高架下で普通の商売を行うのは難しい。そこで2016年ごろから高架下でなにか事業ができないかとモデルを見て探った。京急がタイニーハウスホステルという案を持ってきたのは2017年の夏ごろ。このとき京急は賢いことを考えたと思った。タイニーハウスならば可動性があり、増やそうと思えば増やせるし、フレキシブルな展開が可能だ。そして建設費を軽減して安く貸せる。また、地域から要望してきたことも果たされる」(山野事務局長)。

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