違法風俗店街が変身!「黄金町」高架下の挑戦 「ちょんの間」転じてアーティストの街に

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黄金町エリアにあった違法風俗店の跡地は多様な利用のされ方をしている(筆者撮影)

「このままではいけない」。危機感を覚えた日ノ出町の日ノ出町内会、初音町、黄金町から構成される初黄(はつこう)町内会は、2002年に初黄・日ノ出町地区風俗営業拡大防止委員会を立ち上げた。その後、地域の小学校のPTAなども参加し、初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会へと発展する。2005年には警察が本格的にかかわるようになり、24時間警備もスタート。そして同年夏にはマスコミも招いて徹底取り締まりを行う「バイバイ作戦」を行った。

こうして風俗店は閉鎖状態になったが、一方では住民が減り、独特の建築物だけが残された地域の活力は低下してしまった。人が歩かなくなり薄暗い空気の通りを見て、いつか違法風俗店が戻ってくるのではないかと住民は危惧したという。

アートの力で新たな街に

そんな中、横浜市が中心となり新たな街の姿として打ち出したのが「アートによるまちづくり」だ。市は2001年から、3年に1度開く現代美術の国際展覧会「横浜トリエンナーレ」を開始。当時廃屋だった赤レンガ倉庫を展覧会場に使ったことで話題となった。そして2004年からは「文化芸術創造都市構想」を打ち出し、初音町・黄金町・日ノ出町(以下、黄金町と略す)のアートによるまちづくりはその波に乗る形となった。

まず2006年、横浜市中区を中心とした店舗転用のモデル事業として「BankART桜荘」(2010年閉鎖)が作られた。ここはNPOの「BankART1929」が運営者となり、アーティストが滞在しながら創作活動を行う「アーティスト・イン・レジデンス」と交流スペースが設けられた。この頃から大学もまちづくりに参加するようになり、神奈川大学と横浜国立大学が建築物の設計やまちづくりへの提言作りを行うようになった。

高架下に設けられた「かいだん広場」ではアーティストのパフォーマンスが行われることも(筆者撮影)

そして2007年からいよいよ高架下の活用も始まる。横浜市が京急電鉄の高架下を借りる形で新しい施設が造られることになったのだ。建物の設計は2つの大学が中心となり、「日ノ出スタジオ」と「黄金スタジオ」と名付けられた。施設の開業に合わせ、横浜市は周辺の違法風俗店跡地も借り、新しい地域イベントを仕掛ける。それが、現在では毎年秋に開かれるイベントとして地域に定着したアートフェスティバル「黄金町バザール」だった。

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