ヤマダ電機が「インテリア・家具」を狙うワケ

家電量販店が模索する「勝ち残り」の道

しかし、徐々に大型店を出店するような市場も土地も少なくなり、以前のような後出し出店では売り上げ拡大が見込めないようになってきた。どの店に行っても同じメーカーの同じ製品が売られている家電量販業態では、結局は価格がいちばんの競争要因になるが、市場が拡大しない中での過当競争は共倒れを引き起こしかねない。そのため、一昨年あたりから過度な値引き競争を抑え、より利益率の高い白物家電(洗濯機や冷蔵庫などの生活家電)の販売を強化することで、量販各社は低迷する売り上げの中で収益を確保してきている。

とはいえ、それにも限界があるため、家電量販各社は従来の家電販売に代わる新しい柱を模索してきた。その代表格が、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ビックカメラの3社だ。

家電と住宅をつなぐエコシステム

ヤマダ電機は2011年にハウスメーカーのエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエルホーム)を買収した。それまでも自社でリフォームビジネスを手掛けていたが、これを機に本格的に住宅事業に参入することになる。翌年には住宅設備メーカーのハウステックを買収、さらに2013年にはハウスメーカーのヤマダ・ウッドハウスを100%出資で設立し、高級注文住宅から建売分譲住宅の販売、水回りから屋根・外壁、増改築までのリフォームと、大きく手を広げた。

写真の住宅展示場は2012年1月撮影(撮影:大澤 誠)

この間、レギュラー店舗内にハウステックやエスバイエルのコーナーを設けてリフォームの受付を行ったり、春日部店(埼玉県)など一部店舗では駐車場にエスバイエルおよびウッドハウスの住宅展示場を建設して注文住宅の販売を行ってきた。この結果、2017年3月期には住宅設備機器事業部の売上高は1300億円(連結・一部非連結も含む)にまで上っている。

そして昨年度、住宅事業の成長のために2つの施策を投入した。1つは、前述の「家電住まいる館」への転換だ。「家具・インテリア雑貨」「家電製品」「リフォーム・新築住宅の販売」の3業態が融合した店舗で、家具・インテリア売り場が全体の半分を占める店舗もあるほどの力の入れようだ。

これまでも、LABI1高崎やLABI1日本総本店池袋のように、食器や調理器具などの生活雑貨を扱う店舗は存在したが、ソファやベッド、ダイニングテーブルセットなどの大型家具やカーテン、布団セットなどの大型ファブリックまで取り扱っているところが新しい。

ヤマダ電機が新業態店舗で狙うのは、家電ビジネスと住宅ビジネスの融合である。家電は生活に欠かせないものであり、本来なら住宅設備との親和性があるはずだ。そう考え、住宅リフォーム事業を手掛けてきたのは何もヤマダ電機だけではない。エディオン、上新電機、ビックカメラもリフォーム事業に参入し、各社それなりに成長してきている。しかし、やはり家電量販店内に住宅リフォームがある唐突感は否めず、各社ともにいまだ家電販売に次ぐ柱事業に育っていないのが現状だ。

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