期待の新人を辞めさせない、たった1つのコツ 新入社員は「認められる」ことに飢えている

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ほめたり、認めたりすることには離職の抑制以外にもさまざまな効果がある。

私がこれまで行った研究では、モチベーションや挑戦意欲、組織に対する貢献意欲、一体感、評価に対する信頼感、評価・処遇に対する満足感などを高めること、それに仕事の成果を向上させる効果があることも明らかになっている。

「ほめすぎリスク」にも留意しよう

しかし、一方では弊害もあることを理解しておく必要がある。

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たとえば新人の職場にたまたま社長がやってきて、「君、よくがんばっているね。期待しているからな」と声をかける。すると声をかけられた新人は、それを過剰に受け止め、期待に応えなければならないという一心で、休暇も取らずに毎日遅くまでがんばる。それが続くと、いつか無理がたたってメンタルに支障をきたしたり、辞めていったりするケースがある。

とくに純粋でまじめなタイプの若者には、このような「ほめすぎのリスク」があることも知っておかなければならない。

このような弊害を防ぐためにも、「何がよいか」「どれだけ優れているか」を具体的に示しながらほめるのが望ましい。

承認が必要なのは新入社員だけではない。新人が入ってきたのを契機に、上手にほめたり認めたりする習慣を身につけたいものである。

太田 肇 同志社大学名誉教授

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おおた はじめ / Hajime Ohta

兵庫県出身。同志社大学名誉教授。経済学博士。主な研究分野は個人を生かす組織・社会づくり。日本における組織論の第一人者として著作のほか、働き方改革や社員のモチベーションアップなどに関するマスコミでの発言、講演なども積極的にこなす。また猫との暮らしがNHKで紹介されるなど、愛猫家としても知られる。著書は、『日本型組織のドミノ崩壊はなぜ始まったか』(集英社新書)、『「自営型」で働く時代』(プレジデント社)、『何もしないほうが得な日本』(PHP新書)、『日本人の承認欲求』(新潮新書)など40冊以上あり、大学入試問題などに頻出している。『プロフェッショナルと組織』(同文館出版)で組織学会高宮賞、『仕事人と組織』(有斐閣)で経営科学文献賞、『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)で中小企業研究奨励賞本賞を受賞。

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