米銃規制、「賛成」と「反対」がせめぎ合う現場 デモに参加した人たちの生の声とは?
「本当は今日、このデモに参加するのも危険だとわかってるんだけど」と彼は小声で言う。
LAのような大都市の市庁舎前の芝生の広場に立てば、格好の「動く標的」になりかねないからだ。高いビルの屋上から狙われたら逃げ切れない可能性が高い。それでもデモに参加したのは、銃規制の強化を法で定めなければ、また必ず死者が出ると思ったからだ、と語る。
「スクールシューティングの後に皆で祈ってキャンドル灯して、数カ月したら、またスクールシューティング。もうそんな悠長なことはやってられない」とバンデラスは言う。
パークランドの事件後に、トランプ大統領が提案した「教師が銃を携帯して校内の学生を守ればいいのでは」という案をどう思うかと聞くと、こう言った。
「あまりにもバカげた案で驚愕した。大統領本人が身を投げ出して僕たちを守るわけでもないのに、現場の教師にそんな危険な役を押し付けるなんて、いったい何を考えているんだという感じ」
殺人犯に見つからないようにみんなで隠れるの
今回のデモには、高校生よりずっと若い小学生も、手描きのサインを持って参加していた。
「NO MORE GUNS」と書かれた紙を持っていたのは、小学校1年生のリカルドJR・フェルナンデス(7)だ。パークランドの事件が起こってから、彼の通うLA市内の小学校では「ロックダウン」と呼ばれる銃撃を想定した避難訓練が行われるようになった。
「図書館にみんなで隠れるの。殺人犯に見つからないように、体を縮めて1時間動かないようにって先生に言われる。怖いと泣く子もいるし、勇気を出して戦うと言う子もいる。ねえ、どうして犯人は、子どもや罪もない人を銃で殺すのかな?」
隣にいた彼の父リカルド(38)は「本当は、息子には殺される心配など一切せずに、校庭で遊んだり、思う存分勉強したりしてほしい」と言う。息子が学校から無事に帰ってくるかどうか心配する生活はこの先もう耐えられないと、次男で1歳のセバスチャンも連れて、親子3人でこのデモに参加した。
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