23歳女性ADが描くTV業界の過酷さと悲喜劇 モザイク処理やドングリ集めなどが仕事内容
ギャグだけどリアルすぎるADの生態…
コミック『オンエアできない!女ADまふねこ(23)、テレビ番組つくってます』は、かつてテレビ東京のADとして働いていた筆者が、その悲哀と気概に満ちたお仕事の様子を描いた一冊。
いまどきテレビ業界に就職を希望する若者がそれほどいるのかどうか、ちょっと自信がない。でも責任をもっていえる。もしテレビ局に入りたいなら、そして番組の制作をしたいと思っているなら、この本を読むことは、へたなOB訪問をする10倍は参考になる、そして役に立つだろうと。
なぜこんなに断定的に言えるかというと、私自身が、かつて著者の真船佳奈さんと同じ東京はじっこTV…というか、テレビ東京制作局に属するADだったからだ。私がADだったのは10年前だが、本書を読む限り、びっくりするくらい状況は変わっていないようである。
本書のなかのエピソードをいくつか抜粋して紹介したい。
これらは、涙が出そうなくらい、かつて私が経験したことと同じである…。私も全身タイツを着てテレビに出演したことがあるし、テレ東にいる間中、素づめで過ごしたし、そして気の遠くなるようなモザイクかけ作業に苦しんだ。
女性が少ない職場でちやほやされるなんてもってのほか、タレントや女優など「日常的に美人と接する男性たちから姫扱いなど夢の夢」(#9 YOUは何しに合コンへ?)。
だから出会いを求めて合コンにも行きたいんだけど、少しでも暇そうにしていれば新しい業務が降ってくるのがADという仕事。さて、先輩に業務を言い渡される前にすっと退社する方法とは…!?
ここから先はぜひ本書を買ってお確かめください。ほかにも、レビューで取り上げるのを躊躇ったギリギリなエピソードが満載です。