「定年後は3000万円以上必要」は本当なのか 老後のおカネは3つの方法で「見える化」する

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入ってくるおカネが把握できたら、2つめのステップに移る。

(2)出ていくおカネ(住宅・教育・老後資金+保険)などを試算する

俗に「人生の三大資金」と言われるのは、住宅資金と子どもの教育資金、そして老後資金だ。これらを、できるだけ具体的に算出してみよう。

まず住宅資金。持ち家か賃貸か、ローンを組んだ場合は返済プランによって必要な金額にかなりの差が出る。また、教育資金についても、公立か私立か、大学に進学するかしないかなどによって、大幅に変わってくる。このほか、毎月支払う生命保険料も、積もり積もれば大きな金額になる。家族構成や時期によって必要な保障を見極めて保険の見直しを行い、最適な保険を選びなおすことも大切だ。

(3)収支のシミュレーションを行う

「入ってくるおカネ」と「出ていくおカネ」をそれぞれ算出できたら、あとは最終シミュレーションを行うだけだ。年齢ごとの支出と収入を表にするなどして、何歳までにいくらの貯蓄が必要かを調べればよい。高伊氏は、マネープラン表の中に、家族の状況(年齢や入学・卒業などのイベント)を記載できる欄をつくることも勧める。これによってライフプランとマネープランが「融合」し、人生のビジョンをより描きやすくなるからだ。

保有資産の「見える化」はどうすればいいのか

老後資金のシミュレーションをするにあたって、最後に忘れてはいけない要素がある。それは「保有資産」だ。不動産や証券、株や投資信託などの資産は、いざというときにはおカネに換えられるものだ。価値の高い資産を持っている人は、それも貯蓄の一部として考えることができる。

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「大切なのは、資産の内訳をつねに詳細に把握しておくことです。『確か株をいくつか持っていたっけ』などといったボンヤリとした把握では、意味がありません。どの会社の株を何株所有していて、それを今換金するとどのくらいの金額になるかというところまで把握しておきましょう」(高伊氏)

高伊氏によると、保有資産の把握についてもマネープランと同じように、一覧表が役に立つという。金融機関名や購入(預入)金額、時価や利率のほか、自分がなぜその資産に投資をしたのかという目的まで書いておくと万全だ。

あなたに必要な老後資金はいくらで、それをあと何年で貯めなければならない計算になるだろうか。定年までの時間は長いようでいて、あっという間に過ぎてしまう。今のうちからシミュレーションを行い、計画的に資金形成をしておこう。

大住 奈保子 編集者・ライター

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おおすみ なほこ / Nahoko Osumi

1984年、京都府生まれ。大阪市立大学文学部哲学歴史学科卒業。出版社勤務を経て2015年にフリーの編集者・ライターとして独立、2017年に株式会社Tokyo Editを設立。現在代表。マネーや経済、ビジネスなどのテーマを中心に、企業の集客に役立つコンテンツを制作する。『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』(冨田晃右・ぱる出版)をはじめ、投資関連書籍の取材・制作協力実績も多数。

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