鉄道活性化「若い世代の関心」をどう高めるか 三重「あすなろう鉄道」支援NPOの試み

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近鉄から運営を引き継ぎ、今年の4月1日で3周年を迎える四日市あすなろう鉄道の電車。写真は「なろうグリーン」と呼ばれる緑と白の塗り分けの編成(写真:nao0107 / PIXTA)

廃線の危機に直面した近畿日本鉄道(近鉄)内部・八王子線の運営を公有民営方式で引き継ぎ、2015年4月1日から運行を開始した「四日市あすなろう鉄道」。廃線問題が浮上した際、同線の存続を目指す市民有志の団体として発足した特定非営利活動法人「四日市の交通と街づくりを考える会」(YTT)は今年2月3日、三重県四日市市内で「四日市の街づくりシンポジウム」を開いた。

シンポジウムは三重県立四日市南高等学校が共催。高校生が四日市の交通と街づくりを考えるきっかけづくりを目指す学習プログラムの一環として開催され、同日午後に行われた生徒による「2030年の四日市の街づくりプラン」の発表会では、四日市あすなろう鉄道関係者、四日市市役所職員、地元議員、マスコミ、一般市民などが熱心に聞き入った。

利用促進へ「若者への啓発重要」

ところで、内部・八王子線の存続を目的として発足した市民団体であるYTTが、なぜ高校生とコラボしたワークショップを開いたのだろうか。その理由は、鉄道活性化を目指した「若い世代への啓発」にあった。

YTTは、四日市あすなろう鉄道として内部・八王子線の存続が確定した後は、同線の利用促進活動に重心を移し、「将来にわたって鉄道を活性化させるためには若い世代への啓発教育が重要」との考えに至った。その流れで沿線高校との連携を模索する中、八王子線の終点である西日野駅に近い四日市南高校と協働事業を実施することで合意し、2016年から共同ワークショップを開始した。

そして、2年目となる2017年10月~2018年2月の計3回のワークショップと2月3日のシンポジウムでは、新たに社会起業家支援のボランティア活動を展開する日本電気(NEC)のプロボノチームの参画を得た。

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