鉄道活性化「若い世代の関心」をどう高めるか 三重「あすなろう鉄道」支援NPOの試み
各グループの発表終了後には質疑応答も行われた。そのいくつかを紹介する。
「身近な鉄道であってほしい」
質疑応答の終了後には、四日市あすなろう鉄道の日紫喜(ひしき)孝行鉄道営業部運輸管理所長(当時)と、四日市市役所の山本勝久都市整備部長がコメンテーターとして登壇した。日紫喜所長は同社の現状について「定期外客が増えている。2月1日からはプロパー社員の求人募集を開始した。沿線から運転士を目指す人が増えるかもしれない」と説明した。
一方、山本部長は「内部・八王子線の存続では、近鉄との壮絶な協議をおこなったが、多方面の協力があり、あすなろう鉄道として存続させることができた。しかし、大人の事情や法令が壁となって実現できていないことも多い。この(ワークショップやシンポジウムの)経験を生かして、ぜひとも中央省庁か四日市市役所に就職してほしい」と高校生に語りかけた。
シンポジウム終了後、発表を担当した生徒に話を聞いた。矢田真奈美さんは「初めてのことが多かったが、(街づくりの課題を)身近に感じることができた。あすなろう鉄道活性化に協力したいという意欲が芽生えた」と感想を述べるとともに、「身近な鉄道であってほしいし、沿線住民に寄り添う鉄道であってほしい」とあすなろう鉄道への期待を口にした。
また、昨年に引き続き参加した桝田美優里さんは「機会があればまた自ら参加したい」と早くも来年度に向けた意欲を示す。桝田さんは昨年のシンポジウム終了後「1回発表しただけで終わりにしたくない。もっと本気で取り組みたい」とYTTの井上理事に言って、あすなろう鉄道沿線でのライブ活動の提案を受けた経緯がある。桝田さんは人とのつながりが大切だと感じて、現在も同鉄道沿線でのライブ活動を続けている。
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