鉄道活性化「若い世代の関心」をどう高めるか

三重「あすなろう鉄道」支援NPOの試み

各グループの発表終了後には質疑応答も行われた。そのいくつかを紹介する。

質問者A:市役所で中心市街地活性化を担当し、四日市商業高校・四日市農芸高校と現時点での中心市街地活性化に向けてコラボしている。今日の四日市南高校と大人のコラボは未来に向けた提言を目指したものと理解している。未来の活性化に向けてヒントがあれば聞きたい。
矢田真奈美さん(1年):12年後の2030年は遠くない未来だと思う。四日市の今のいいところを残しつつ、変えるべきところは変えて街をよりよくしたい。
桝田美優里さん(2年):今回は2030年の四日市について考えたが、プロセスについては考えていなかったのが反省点。毎日の積み重ねで街は(少しずつ)よくなると思う。
質問者B:皆さんの発表に感動した。3回の授業だけでこれだけのアウトプットができると思えない。授業時間以外にどれくらいの時間を費やしたか?
桝田さん:発表会の1週間前から放課後にみんなで集まって発表資料を作成した。大人や友人に手伝ってもらった。
中村塁さん(1年):取り組んでみて物の見方が変わったことを自分自身感じている。

「身近な鉄道であってほしい」

質疑応答の終了後には、四日市あすなろう鉄道の日紫喜(ひしき)孝行鉄道営業部運輸管理所長(当時)と、四日市市役所の山本勝久都市整備部長がコメンテーターとして登壇した。日紫喜所長は同社の現状について「定期外客が増えている。2月1日からはプロパー社員の求人募集を開始した。沿線から運転士を目指す人が増えるかもしれない」と説明した。

一方、山本部長は「内部・八王子線の存続では、近鉄との壮絶な協議をおこなったが、多方面の協力があり、あすなろう鉄道として存続させることができた。しかし、大人の事情や法令が壁となって実現できていないことも多い。この(ワークショップやシンポジウムの)経験を生かして、ぜひとも中央省庁か四日市市役所に就職してほしい」と高校生に語りかけた。

シンポジウム終了後、発表を担当した生徒に話を聞いた。矢田真奈美さんは「初めてのことが多かったが、(街づくりの課題を)身近に感じることができた。あすなろう鉄道活性化に協力したいという意欲が芽生えた」と感想を述べるとともに、「身近な鉄道であってほしいし、沿線住民に寄り添う鉄道であってほしい」とあすなろう鉄道への期待を口にした。

また、昨年に引き続き参加した桝田美優里さんは「機会があればまた自ら参加したい」と早くも来年度に向けた意欲を示す。桝田さんは昨年のシンポジウム終了後「1回発表しただけで終わりにしたくない。もっと本気で取り組みたい」とYTTの井上理事に言って、あすなろう鉄道沿線でのライブ活動の提案を受けた経緯がある。桝田さんは人とのつながりが大切だと感じて、現在も同鉄道沿線でのライブ活動を続けている。

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