鉄道活性化「若い世代の関心」をどう高めるか 三重「あすなろう鉄道」支援NPOの試み

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今回のワークショップについて、仕掛け人の一人であるYTTの宗像基浩副理事長は、「4回シリーズのプログラムのうち、最初の3回は連続で街づくりを考えるワークショップとし、生徒が主体的に検討できるように工夫した。高校生には、街づくりにとって大切な『公共』の考え方や未来の変化の方向性等の基礎知識、意見交換と検討方法、および検討結果のまとめ方を中心にレクチャーした」と説明する。

12月に開かれた3回目のワークショップ終了時には、宗像副理事長から生徒たちに対する課題として「2030年の四日市の街づくり」が提示され、生徒たちは放課後に集まるなどして課題に取り組み、発表資料をまとめあげた。この日発表されたのは、その成果だ。

自転車道やLRT整備の提案が

シンポジウムの様子(筆者撮影)

シンポジウムでは、主催者のYTT・宗像副理事長および共催者の四日市南高校・鈴木達哉校長のあいさつに続いて筆者が基調講演を行った。筆者はイギリスの鉄道インフラを管理するネットワークレール社では収入の7割を補助金が占めている例を引き合いに出し、日本の鉄道が独立採算を当然視されている現状は世界的には異例であることなどを紹介した。

その後、四日市南高校の生徒グループによる発表が行われ、彼らが30歳を迎える2030年のライフスタイルや四日市の街のイメージ、活性化に向けた提言が披露された。

発表では、コンパクトシティの推進やバスレーン・自転車道の整備、近鉄四日市駅とJR四日市駅を結ぶトロリーバスまたはLRT(次世代路面電車)の導入などが提案された。行政に対する要望事項を併せて発表したグループもあり、駅前への職場スペースの設置、商店街の活性化、無料駐輪場の設置、公共交通の市民割引などが挙げられた。

次ページ質疑応答「2030年は遠くない未来だ」
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