11年の歯科矯正が台なしになった女性の悲劇 定期検診に加え「親知らずの積極抜歯」が大切
矯正装置が外れたのは高校2年生で、それから1年間は後戻り防止の保定装置もつけました。つまり、歯列を治すために11年間も頑張ったのです。その間は虫歯や歯周病にならないように注意しなければならないうえ、思春期には矯正器具のせいで嫌な思いもしたそうですが、そのかいあってきれいな歯並びを手に入れました。
宏子さんはその後、大学入学をきっかけに実家を離れ上京しそのまま都内に就職。そうして定期検診には行かなくなったのでした。
そして宏子さんが帰省したある時、お母さんから「あなた、歯並びガタガタになってない?」と衝撃の一言を告げられたのです。確かに、以前と比べ下の前歯が少しねじれ、かみ合う上の前歯もやや前に出てきている。あんなに苦労したのになぜ……と宏子さんは絶望した様子で当院を受診したのでした。
歯並びがまた悪くなってしまった理由は…
歯列矯正をしたにもかかわらず再び前歯がガタガタになってしまった原因を検査していくと、左右の親知らずがほぼ真横に埋まっていることがわかりました。レントゲンで見ると、90度曲がって手前の正常な生え方をしている歯にぶつかっていました。
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親知らずは歯列の中で最も奧に位置する、最後の最後に生えてくる永久歯です。平均して10代後半から20代くらいに生えてきます。親の管理が行き届かない年齢になってから萌出(ほうしゅつ)するので、親知らずという名前になったとも言われています。その親知らずが骨や歯肉の中で真横や斜めに埋まり、手前の歯をグイグイ押すせいで歯列のアーチが崩れ、前歯がデコボコになることもあります。宏子さんはこのケースでした。
もちろん歯並びが悪くなる原因は親知らずだけとは限りませんが、定期検診にしっかり通っていれば、最適なタイミングで抜歯してきれいな歯並びをキープすることはできます。転居して定期検診を怠ったせいで、残念な結果になってしましました。
宏子さんは結局、親知らずを抜歯しその後取り外し可能なプレート矯正を半年間行い、元のきれいな歯並びを取り戻しました。
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