平昌パラリンピックの「知られざる」楽しみ方 3月9日開幕、18日まで10日間続く熱戦

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パラリンピックはメダル獲得数だけがすべてではないといっても、それでもメダルの数が気になるところ。充実したサポート体制のもと、今大会で日本がどれだけ飛躍を遂げられるか、それを見極めるのも、楽しみ方のひとつといえそうだ。

平昌大会でメダルを獲る可能性がある選手とは?

最後に、日本勢がメダルを獲る可能性があるパラリンピックの種目とその選手について、見ていこう。 

まず、金メダルが期待されている1人として、アルペンスキーの森井大輝選手を挙げたい。1980年生まれの森井選手は、4歳からスキーを始め、高校ではインターハイ出場を目指していた。しかし、16歳のときオートバイ事故により脊髄を損傷。それ以来、車椅子を常用している。彼は1998年の長野パラリンピックを病室で観て、チェアスキーの世界に入ったという。その後、パラリンピックでは、2002年ソルトレーク大会から2014年ソチ大会まで4大会連続で出場しており、3つの銀メダルと1つの銅メダルを獲得している。現在でも、その実力は世界トップクラスだ。

他にもアルペンスキーには、ソチ大会金メダリストの狩野亮選手や鈴木猛史選手、2017年のワールドカップ白馬大会で優勝した村岡桃佳選手などの有力選手も出場するので、これらの選手たちの活躍にも注目したい。

スノーボードでは、成田緑夢選手のレベルがかなり高いことに注目している。彼は2017年に全国障がい者スノーボード選手権大会と障害者スノーボードのワールドカップで優勝した。世界ランキングの1位も獲得しており、平昌大会ではメダルに手が届くのではないかと、多くの人が予想している。

1994年生まれの成田選手は、2013年にフリースタイルスキーのハーフパイプで、世界ジュニア選手権優勝。しかしその直後、練習中の事故で障害を負った。リハビリと練習の積み重ねで、スノーボードのみならず、陸上競技の走り高跳びにも挑戦しているパラアスリートだ。ちなみに、成田緑夢選手の兄は、元オリンピック選手の成田童夢氏である。

ほかにも、ノルディックスキー距離では、新田佳浩選手がクロスカントリースキー、バイアスロンでは、出来島桃子選手がメダルを期待されている。

これまでパラリンピックを見たことがなかったという人は、平昌大会を機に、観戦してみてはいかがだろうか。そこには、障害やリハビリを乗り越えた人間の強さがあり、きっと魂を強く揺さぶられるはずだ。

藤田 紀昭 日本福祉大学教授

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ふじた もとあき / Motoaki Fujita

1962年生まれ。筑波大学大学院修了。同志社大学スポーツ健康科学部教授を経て、2016年4月より日本福祉大学教授。文部科学省主催「オリンピック・パラリンピック教育に関する有識者会議」委員を務めた経験などを活かし、障害者スポーツに関するさまざまな施策を提言している。著書に『パラリンピックの楽しみ方』(小学館)などがある。

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