スマホ中毒から脱するにはどうしたらいいか アップルも真剣に考え始めた?
まず、アップルのビジネスモデルはテクノロジー依存症に支えられてはいない。同社の稼ぎのほとんどは、たっぷりとマージンを取って高価な機器を販売するところから生じている。たしかに、スマホを便利にして、次のスマホも買ってもらうようにはしなければならない。しかし、消費者がスマホを購入して、いくつかサービスに加入した後は、同社としてはユーザーがそれを使い過ぎるほど使わなくても構わないのだ。
このように、アップルは広告ビジネスには加わっていないものの、それに大きな影響を及ぼしている。テクノロジー企業はiPhoneやiPad上で事業を行わなければならないが、アップルはその全員に対してルールを設定できるのだ。
アップルがオペレーティング・システムとアプリストアを1回アップデートするだけで、ユーザーをアプリに釘づけにするために行われる通知やモニターなどのうち、最も行き過ぎたものを阻止することができる(たとえば、過去には広告ブロックが認められた)。そして、ほかのスマホメーカーはアップルの発明を真似ることが多いので、アップルがスマホ依存を抑制するたびに、同様の行為は広がっていく。
「使い過ぎ」を注意するスマホ
ハリスはアップルがどんな形で中毒性の低いスマホを作れるか、いくつかアイデアを提案してみせた。まずは、ユーザーがスマホをどのくらい使っているか、ユーザー自身にフィードバックをすることが考えられるという。
たとえば、週に1回、どのようにスマホを使ったか、ユーザーにリポートを送る。ちょうど、アクティビティー・トラッカー(活動量計)が、先週あなたがどのくらい座りっぱなしだったかを教えるような感じだ。ちょっとした警告をすることもできるだろう。「あなたは先週、週の半分をツイッターを見て過ごしました。それで本当にいいんでしょうか?」といった具合だ。ユーザーに力を貸すこともできるかもしれない。「来週、もしあなたがスナップチャットに時間を使い過ぎていたら、そのことをお知らせしましょうか?」。
別のアイデアとしては、よりきめ細かく通知を行えるようにすることが考えられるという。現在は、アプリのアラートは融通が利かず、アラートを送る設定にするとしょっちゅうスマホが鳴るようになる。
通知にある種の優先レベルを設定するよう、アップルがアプリ側に求めることをハリスは提案する。「たとえば、通知レベルを3つにする。ヘビーユーザー、一般ユーザー、ライトユーザーなどだ」。
ハリスは言う。「そして、デフォルトの設定を中間レベルにしておく。それだけで、ユーザーがアラートに対応するエネルギーを、大幅に減らせるようになる」。