「ソフトクリーム」が真冬の渋谷で売れるワケ 材料はスーパーで買える牛乳と同じだが…
渋谷店は扱う商品が限られており、その北海道ソフトパフェのほかに、代表的なブランド「よつ葉牛乳」を使った北海道ソフトクリーム(350円)や、2~3日ごとの日替わりで北海道各地の牛乳が味わえる北海道ホットミルク(200円)、ホットいちごミルク、ホットチョコミルク(各450円)などの4種類がある。
なお11月15日~3月25日まで開店予定の吉祥寺店は、ショッピング施設にテナントとして入居してのこれまででもっとも長期間の展開だ。
目玉は「ミルクランド・マウンテン」(1200円)。商品説明には“雪のようにふんわり軽い生クリームのなかに、濃厚な生クリームとみずみずしいフルーツがどっさり”とある。つまり、ほとんど生クリームだけを味わうスイーツだ。そのほか、ティラミスなどの各種スイーツや、12種類のうちから選んで飲み比べられる「北海道牛乳3種の飲み比べ」(250円)などがある。また、牛乳そのものや、チーズやバターといった乳製品の販売も行っている。
「ミルクランド北海道」の成り立ちや思い
このように同店は、楽しくおいしく、北海道の牛乳・乳製品を体感できるショップとなっている。この、ミルクランド北海道という運動の立ち上げからかかわってきた事務局スタッフの1人は、成り立ちや思いについて次のように語る。
「国内で酪農家の数が激減しており、そのなかで北海道は比較的踏みとどまっているものの、2016年時点の8000戸以上から今では6000戸余りへと減少しています。減少の理由としては、酪農という事業そのものが、投資が大きく経営が困難であることや、後継者問題などがあります。さらに、TPPなどの外的な要因が加わり、将来への不安に拍車をかけています。このままでは、国産100%の牛乳が口に入らなくなる日がくるかもしれません。日頃当たり前のように飲んだり食べたりできる牛乳や乳製品に対して、意識を変えていく必要があります」(ミルクランド北海道事務局スタッフ)
冷蔵庫のなかに当たり前に牛乳がある日常、それを支えているのは、北海道をはじめとする国内の酪農家の存在だ。全国にある酪農家16400戸のうち、北海道には38%の酪農家が存在し、国内生産の約53%に当たる生乳を生産。1戸当たりの牛の頭数が増える傾向にある。酪農の仕事といえば、「朝が早くて重労働でキツい」と誰もが思い浮かべる。ただ最近では機械化するところや、さらに労働にシフト制を取り入れているところも出てきている。そのほか、効率化も進み、たとえばコストは上がってしまうが、飼料づくりを外注し、その分の労働力を乳牛の世話に充てるといったことも行われているそうだ。
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