ゆとり教育+モンスターペアレントの弊害

「子供をしかる能力」とは、放任と干渉のさじ加減

ゆとり教育+モンスターペアレントの弊害

昨今問題の親や教職者による体罰も、うまくしかることができない大人の、弱さの露呈ではないでしょうか。

ちょっと話が違いますが、ある時期、小学校の運動会では、ゴール前で手をつないで、1、2、3で同時にゴールして敗者を作らない“配慮”がなされました。

学芸会の劇でも、できるだけ多くの生徒が主役を張れるような“配慮”がなされた時期があったようです。白雪姫が6人も! この前の某市の教育委員会では通知表を子供に渡す前に、保護者に事前にチェックしてもらう方針を発表して、マスメディアからも総攻撃に遭い、すぐに撤回していました。

これらはみな、教職に就く人たちが“どのような教育をするか”ではなく、“いかに余計なことはしないで、つつがなく教職が続けられるか”“いかに保護者から文句をつけられないか”に腐心するあまりの現象だと聞きました。モンスターペアレントなんて言葉は、ひと昔前には存在しない言葉でした。

大人のしかる能力の低下は、子供にとって受難

今回の学生さんが指摘しておられるように、親や教師が子供の機嫌をとったり、親がうまくしかれない、教師が下手にしかれない傾向にあるというのは、まったく同感です。昨今問題の親や教職者による子供たちへの体罰も、うまくしかることができない大人の、弱さの露呈ではないでしょうか。ある意味、子供受難の時代だと言えます。

これも以前に申し上げたことで恐縮なのですが、親の放任教育の下で伸び伸びと自主的に勉強して、一流校に進学できたという学生さんが多かったことに驚きました。ただ実際には、一部の例外を除けば、学生さんが放任と感じておられるだけで、そこに至るまでに、干渉がましくない、周到な愛情ある教育が施されていたのだと思われます。

放任だけでもいけない。必要なときはうまくしかる。そしてさらに必要とあれば徹底的にしかる、という前回のコラムで触れました深い愛情に基づいた厳しいしつけ。学生さんのご指摘に、全面的に同意します。

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