1位は昨年に続き、計測・制御機器大手のキーエンスだ。平均年収1861万円とダントツのトップ。「超」がつくほどの高収益企業として名高い存在で、直近決算(2017年3月期、9カ月の変則決算)における営業利益率は53.7%を誇る。2位は西日本最大手の民放、朝日放送(1518万円)。3位は7期連続で最高益を更新した不動産のヒューリック(1418万円)で、昨年の8位から順位を上げた。
学生人気の高い大手総合商社も平均年収は高い。5大商社のうち、4位三菱商事(1386万円)、5位伊藤忠商事(1384万円)、7位住友商事(1255万円)、10位丸紅(1221万円)と、4社がトップ10にランクイン。三井物産も11位(1213万円)だ。
同様にマスコミ・広告も上位に名を連ねている。2位の朝日放送を筆頭に、8位日本経済新聞社(1254万円)、9位電通(1248万円)など3社がトップ10に入っている。ほかには、不動産、証券、総合商社などが上位に顔を出す。なお、平均年収1000万円以上の会社は41社、900万円以上は113社となっている。
初任給では各社とも大きな差はないが、平均年収ではこのように数百万円超の差となって表れてくる。待遇を比較・判断する場合、どちらを用いるのが有効かは一目瞭然だろう。
高い初任給=高い平均年収とは限らない
初任給と平均年収には、相関関係があるとは限らない。厚生労働省が公表した最新の賃金構造基本統計調査によると、大卒初任給の平均は20.6万円。対して、本ランキングトップのキーエンスの大卒初任給(B職)は20.5万円と、実は下回っている。
初任給とは、入社1年目の(最初の)月給に過ぎず、昇給やボーナス、残業代などが反映された平均年収とは、内容が大きく異なる。また、企業側から見れば、初任給は固定残業手当などを付与すれば、いくらでも高く見せることができる。ちなみに『就職四季報』(総合版)には、初任給の金額に加え、その内訳も収録しているのでぜひ参考にしてほしい。
平均年収を見るうえで注意しておきたいのは、あくまで現時点の数値であり、将来必ず稼げる額とは限らないということ。残業時間削減など働き方改革が叫ばれているように、今後は働き方が見直され、年収に占める要素は年功から成果へと、よりウエイトが置かれるようになるだろう。
また賃金は労働に対する対価である。高給であればそれ相応の働き方が求められると考えるのが一般的。「待遇重視」や「働きやすさ重視」など人によって、いろんな価値観があるはず。自分らしい働き方をしっかり考えて、より自分にあった会社を見極めることが重要だ。
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