特約付き医療保険に入るのは本当にお得か

白内障関連の治療なら、かかる費用は58万円

こうした情報を整理すると、民間の医療保険に入ってメリットがある(保険が下りる可能性がある)のは、公的保障(3割負担や、月額自己負担額の上限を定める高額療養費制度)を使っても、医療費を貯蓄で賄えないケースや、差額ベッド台などの保険適用外の費用、先進医療を受けたい場合の費用ということになります。

また、先進医療以外の最先端医療については、通常は保険金が下りないため、そのときに自分たちで資金が準備できるかどうかで判断が分かれます。医療保険に頼れるところではありません(保険会社の先進医療特約には、患者申告の最先端治療を対象とするものも、一部あります)。

「白内障治療58万円」だが、先進医療は必ずしも高くない

それでは、先進医療を受けた場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。やはり、まさかのときのために民間の医療保険に入ったほうがいいのでしょうか。

2016年7月1日~2017年6月30日に実施された先進医療の内訳(表:筆者作成)

グラフは2016年7月1日~2017年6月30日に実施された先進医療の内訳です。実施された先進医療のうち、約45%を占めるのが、白内障の治療に使われる多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術です。1件あたりの治療費は約58万円となっています。2番目に割合が高いのが約36%を占める前眼部三次元画像解析で1件あたり3484円となっています。先進医療の代名詞となっている、ガンに対する陽子線治療や重粒子線治療は約200~300万円。先進医療全体からみると、約1割となっています。

保険加入の原則は、「起こる確率は低いけれども、起こったときに金銭的なダメージが大きいところをカバーすること」です。この視点で考えると、陽子線や重粒子線治療を受ける確率が高くないからといって、先進医療特約が不要とはいえません。

一方で前眼部三次元画像解析のような、数千円や数万円で済む先進医療も存在することは知っておきたいポイントです。また、陽子線や重粒子線治療でも特定の治療については保険対象とする動きや、その対象を拡大する動きもあるため、公的保険の中で受診できる可能性は高まっています。

ちなみに、私は複数の保険会社の勉強会に参加していますが、前出の白内障の治療に使われる水晶体再建術は、金額も大きく請求も比較的あるため、保険会社としては支払い事例が多いそうです。消費者としては、加入していて助かったと感じる治療かもしれませんね。医療保険や先進医療特約を検討する場合は、そもそも保険適用外の治療を自分は強く希望するかどうかや、希望する場合、その費用は自分で賄えないものなのかも合わせて考えると、より納得できる選択につながります。

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