フロリダの乱射殺戮事件は防ぐことができた 市民の通報にFBIが対応をしていれば…
その情報は、本来であればFBIのマイアミ地方事務所に申し送りされ、さらに詳しい捜査がおこなわれるべきであった。ところが、FBIは「これらの手順が守られていなかったと判断した」と述べている。
ジェフ・セッションズ米国司法長官は、AR-15型自動小銃と多数の弾薬カートリッジで武装した銃撃犯によって引き起こされた乱射事件を受け、FBIの手順に落ち度がなかったか検証すよう命じたと述べた。
クリストファー・レイFBI長官は、「悲惨な事件で悲しみに打ちひしがれている皆さんに、さらなる苦痛を与えることになってしまったことを大変遺憾に思う」と声明の中で述べている。
ユーチューブでも学校での銃乱射を予告
不適切に扱われたこの情報以外に、昨年9月に、ニコラス・クルズと名乗る人物が、ユーチューブの中で「俺はプロの学校銃撃者になる」とコメントしているとの情報もFBIに寄せられていた。FBIは、そのコメントについて捜査したものの、14日の乱射事件に関連してクルズが浮上するまでは、その発信源を特定できずにいたと述べている。
ドナルド・トランプ大統領は、14日の乱射事件以前にも、クルズがしばしば常軌を逸した、暴力的な行動をとっていたにもかかわらず、当局への報告がなされていなかったと、地元住民を非難するかのような発言をしていた。そのためもあり、FBIの不手際は、フロリダの人々の強い怒りを買うこととなった。
フロリダ州のリック・スコット知事は、トランプ大統領が昨年ジェームズ・コミーFBI前長官を解任した後に指名したレイFBI長官に対し、今回の失態の責任をとって辞任すべきだと迫った。
「FBIがこの殺人者に対して対策を講じることを怠ったことは許しがたいことだ」と、共和党員であるスコット知事は声明の中で述べている。「私たちは常日頃『見かけたら、通報しよう』と呼びかけている。そして、勇気ある人物がそれを実行してFBIに通報したにもかかわらず、FBIは適切な対応をしなかったのだ」。