結婚は二人だけの問題ではなく、社会的にも責任を負い、人生の山も谷も嵐も共に乗り越える覚悟と責任を伴っているのです。余程の事情がないかぎり乗り越える努力をすべきです。つまり私はパートナーに背信行為などがあれば、何が何でも即離婚だと言うものではありません。
失敗は誰でもします。それにどれだけ真摯に反省し教訓にするかで、その人の人格が決まると言われます。私はうそ発覚後の彼の行動に、彼が持つ無責任で幼稚な人間性を見ました。それはあなたにも言えることです。あなたにとって彼との離縁がまだ苦しい選択なら、あなたはまだ彼の道連れになることを望んでいるのと同じで、悩んでいるだけでしたら、何の教訓も得ていない人と同じです。
「離婚は子どものためには苦しい選択」と言われますが、子どものためにこそあなたに、彼にかかずらっている時間はないのです。
二人で過ごした良い時代はあったのか
あなたには、夫の背信と不誠実さを乗り越えるだけの、“二人で過ごした良い時代”があったでしょうか。私の知人に、10億円をギャンブルにつぎ込み、破産した者がいます。プール付きの大豪邸から狭いアパートに引っ越しました。ギャンブル破産を家族への裏切りと取る人もいますが、大抵は人間性も壊れているものです。
この知人の妻は、「夫はギャンブルにはおぼれたが、家族を裏切ろうとしたわけではない」と言います。順境のときは夫人やその両親を本当に大切にした人でしたので、「こんなときに私が夫を見捨てたら、私が鬼になる」と夫人に言わしめ、彼女はそれ以外のことは一切話さず、潔いほど献身的に夫に寄り添っています。
黒田様の場合、このような、今後の支えになるほどの良い夫婦の歴史がありましたか。これからの困難も共に乗り越えられるほど、魂で結ばれ絆を育みましたか。彼は子どもだけでも大切にする人か、子どもが慕う父親になれそうですか。その全部に目をつぶって経済的に支えてさえくれれば、夫婦を続けられますか。また彼にその可能性はありますか。本当に養育費も入れられないほど、今彼は借金を返済しているでしょうか。何よりもあの虚言癖と“糠にクギ戦法”、謝るべきときに謝れない人柄に、これからも同伴する覚悟はありますか。
これらを考えたうえで、それでもあなたがまだ逡巡されるのでしたら、離婚の決断は「焦りすぎ」かもしれません。しかしこれらを考えたうえで答えがノーであれば、離婚して悪縁を断たれることをお勧めいたします。
私はバツイチという言葉が嫌いです。離婚に伴う痛みや周囲の人たちにかけた迷惑などに無神経なニュアンスを感じます。しかし、不誠実極まりない無責任な人間とは、離婚なさっても、焦りすぎでも卑怯でも何でもありません。ご自身の人生を大切になさってください。
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