「お見合いですぐ肉体関係」はなぜダメなのか 結婚相談所は「詐欺師」にとって絶好の狩場だ

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相手が夢中になったところで、いったんどん底に落としたりするのは結婚詐欺師のセオリーです(写真:bee / PIXTA)

「これって、結婚詐欺ではないかと思うんです」

「相談したいことがあるから、面談したい」と言ってきた、中西京香(37歳、仮名)は、事務所に来て、ソファに腰をかけるなりこう言った。

「結婚詐欺って、今お付き合いしている高村さんのこと?」

「はい、もう絶対にあの人、おかしい! 怪しいと思います!!」

京香は、見合い後に交際に進展した高村浩司(37歳、仮名)が結婚詐欺師ではないかと言う。京香は某メーカーで男性と肩を並べて営業成績を上げているバリキャリ。語気を荒らげた強気な口調に、彼女の勝気な性格がにじみ出ていた。

“結婚したい”という本気度が強いがために…

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結婚詐欺のニュースは、後を絶たない。このコラムでも2度ほど記事にしたことがある。

では、どんな場所で詐欺師と出会うのか。大まかなところでいえばイベント業者が主催する婚活パーティ、街コン、身分証明書なしでも簡単に登録できる出会い系アプリ、婚活できる飲食店など。なぜこれらの場所に多いかというと、そこにいる人たちには、“結婚したい”という気持ちがあり、“結婚”という言葉を餌にすれば、簡単にだませるからだろう。

では、結婚相談所に詐欺師はいないのか? 相談所の場合は、仲人という見張り番がいるし、入会時に、独身証明書、住民票、収入証明書(男性のみ)、資格や免許が必要な職業の場合はその証明書などの提出が義務づけられている。しかし、詐欺師なら仲人をもだますだろうし、入会時の必要書類を取らない相談所もあると聞く。そしてなにより、相談所に登録している人たちは、“結婚したい”という本気度が強いのだから、よりだましやすいといえる。

実際、遺産と保険金を目当てに高齢男性と結婚をし、次々に青酸化合物で殺害をしていった筧千佐子被告(11月7日に京都地裁で死刑判決)も、男性たちと出会いに結婚相談所を利用していた。

結婚相談所に、結婚詐欺師がまったくいないとは限らない。私は京香の言葉に一瞬ドキッとした。

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