「製品テストをできる店」は、なぜ人気なのか

米国のイノベーションを支える小売店の正体

ウェブサービスやアプリは、製品をリリースしてからでも比較的少ない手間でテストを行うことができる。サービスを使っている人が集まっていれば、彼らに新しい機能を試してもらえばいいからだ。しかし実物がある製品は簡単に作り変えてテストを行うことはできないし、テストを行う対象者を集めるにも労力がかかる。

b8taが担っているのは、この製品テストの部分なのだ。だからこそ、スタートアップから大企業まで、製品を成功させたいと考える人々が、規模を問わずb8taを頼ることになる。

ロウブ氏は、b8taで行っていることを次のように説明する。

「b8taで商品を販売することで、企業は、興味を持った顧客数、気づきを得た顧客数、実際に手に取って試した顧客数、そして販売数の定量的なデータを得ることができます。同時に、店員との会話や顧客からの質問、購入意向、買わない理由は何か、といった定性的なデータを、接客から24時間以内にSlackを通じてメーカーにフィードバックします」

ロウブ氏が見せてくれたダッシュボードには、「Impression」「Discovery」「Demo」「Sales」の数字が並び、同時に接客結果の文章が送られてくる様子がわかった。しかし、店舗内でこうしたデータをどのように取得しているのだろうか。

「店舗内の天井にはカメラが設置されており、複数の角度から顧客の動きや、製品の周りでの手の動きなどを検出する仕組みを構築しています。カメラは、人がどの商品を見たか、どの商品の前で足を止めたか、どの商品に触れて試してみたかを自動的に計測し、リアルタイムで企業に対してフィードバックを行っています」(ロウブ氏)

同時に、接客の際の会話などの定性データは、店舗のスタッフがそのつど文字でタブレットに記録し、企業へとフィードバックする資料を作り出す。このようにして、b8taに製品を出品するだけで、メーカーはユーザーテストのセッションを行うことができ、製品開発やマーケティングに必要なデータを得ることができるのだ。

ビジネスモデルをシンプルに変更

ロウブ氏は、b8taのビジネスモデルを1年半前に変えたと説明する。

「以前は、製品販売金額から手数料を徴収するビジネスモデルにしていました。しかし1年半前に、料金体系をよりシンプルにし、1店舗に1つの製品を置く場合の料金を月額固定制としました。販売手数料もいりませんし、レポートも定量・定性すべて含んだ料金にしました。ただし、フィードバックの効果を最大化するため、最低期間は6カ月以上と定めています」

自分たちのビジネスも、顧客となるメーカーからの意見を取り入れ、わかりやすくシンプルに変化させ、b8taストア自体を進化させているのだ。このように変更したことで、メーカーはキャンペーンとベータテストにより安心して積極的に取り組むことができるようになり、b8taストアに出品する意義も明確になった。

ロウブ氏によると、b8taストアを訪れる顧客は35~45歳が中心で、男女比は50対50だという。週末にはファミリー層も、製品に触れて楽しむそうだ。この傾向はウェブサイトの訪問者が男性7割であることと比べると、非常に幅広い層に対して、製品を紹介する場になっていることがわかる。

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