「フード産業」を人気業種にすることは可能か クックビズが目指していることとは?

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朝倉:クックビズの事業を今後成長させるための戦略と、新規事業の展望を教えていただけますか。

採用成功後に目指す、“雇用体験”の向上

藪ノ:既存事業に関しては、ある程度業務の仕組み化もでき、コンサルタントの教育期間も明確になってくるなど、事業運営の型が見えてきたので、これまで東名阪中心に展開してきたものを、他エリアに横展開していく事を考えています。具体的には、福岡や仙台といった地方都市に展開していくこと、東京においても今は1拠点しかないので3拠点くらいに増やすことを構想しています。また、求人サイトについては、サイトの認知度が上がれば上がるほど応募者も掲載企業も増え、閲覧数が増えてマッチングが増えるという好循環が生まれるので、マーケティングを強化し、サイトのユーザビリティを上げてユーザー数を増やすことに取り組んでいきます。

ただ、基本的にわれわれがやっているビジネスモデルは、リクルートなどが作ってきたマッチングモデルをうまく業界特化型にマイナーチェンジし、網目を細かくしてユーザーと企業の満足度を上げていくというものです。それはそれでいいんですが、それだけでは国内の飲食人材を取りきったときに成長が止まってしまうので、他領域へも事業を広げていく必要を感じています。

国内では、採用後の定着をサポートするという意味で研修事業の「フーカレ」というものを始めています。講師を派遣して店舗や企業の課題を解決していくというものですが、採用のところだけでは、いくらいい人を紹介したとしても店舗の状態が悪ければ力が発揮できないので、採用の課題と実際に入社してからの課題を分けて、両方のソリューションを提供していくということを今後はやりたいと考えています。

村上:研修事業というのはマネタイズが難しいと思うんですが、そこはどう考えられているのでしょうか。人材の定着率向上が目的だとしても、経営リテラシーの低い経営者に、研修におカネをかける決断をしてもらうのは難しいと思うんですが。

藪ノ:採用支援領域で売り上げを得ていて思うのは、このビジネスはサブスクリプションモデルになっていないということです。研修も今は一発勝負で売っているんですが、できればクラウドサービスみたいなものに寄せていって「1従業員1ヶ月いくら」といった、サブスクリプションに近いマネタイズモデルで、広く薄く収益を上げていくことができればと思っています。研修の業界で成功しているのはそういうサブスクリプションモデルなんです。それに、われわれとしては、最終的に採用のところで大きくフィーをいただければいいので、研修事業自体は企業側と常にコンタクトを取れる手段になってくれれば十分なんです。それが実現できれば、いずれは採用支援領域もサブスクリプション型のマネタイズモデルに近づけることができるのではないかと思うんです。

小林:事業で言うと、飲食店予約サイトなどは近しい領域なんでしょうか?

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